読書感想文~薬に頼らず血圧を下げる方法~
こんにちは。まいまいです。
ブログを見に来てくださってありがとうございます。
本日は『薬に頼らず血圧を下げる方法』という本の読書感想文です‼
著者は薬剤師である加藤雅俊先生です。
以前に『薬に頼らず血糖値を下げる方法』という本についても記事にしていますので、血糖値が気になる方はこちらも是非参考にしてください。
shiawase-shouko.hatenablog.com
今回は血圧についてのお話です。
日本の高血圧患者は約4300万人いると推定されています。さらに75歳以上の有病率は70%以上と、歳を取れば誰もが直面する問題です。
しかし血圧、特に高血圧については実際のところ様々な考え方があります。
全てを知り、比較し、実践することは難しいので自分の身体に合った生活習慣や健康法を身につけていければいいというスタンスで血圧についての本書の内容と個人的な感想を書いていきたいと思います。
降圧剤はを一生飲まなくてはいけない?
まずこれです。高血圧を初めて診断されて、血圧を下げる薬を処方された方からよく質問されます。
「この薬は一生飲まないといけませんか?」
答えはNoです。食事・運動療法による生活習慣の改善で血圧が下がれば薬を減らしたりやめることは可能です。
しかし、日本では本態性高血圧症(原因は分からないが血圧が上がっている場合)が約90%を占めており、二次性高血圧(腎臓に問題があるなどほかの病気が原因で血圧が上がっている場合)はほんの少しです。
原因が分からないものの対処は難しいです。
だからと言って諦める必要はありません。ひとつひとつ血圧について知っていけば意外と身近な問題に気づくことができます。
自分の血圧について知っておくこと
『高血圧ガイドライン2019』によると正常血圧は120/80mmHg未満です。
正常高値血圧(120~129/80mmHg未満)以上のすべての人は生活習慣の改善が必要と定義されました。
また、高血圧患者の降圧目標は75未満の成人が130/80mmHg未満、75歳以上の高齢者は140/90mmHgとなっています。
これらを知った上で、自分の血圧と向き合わないとゴールがないマラソンのように目標を見失ってしまいますのでご注意を。
そこで、自分の血圧はいくつでしょうか。正常血圧(120/80mmHg未満)よりも高いでしょうか低いでしょうか。
今の数値はいいとして、朝起きたときや寝る前、走ったあとや緊張したときに血圧はどうなっているでしょうか。
ご想像のように血圧は1日のうちでも大きく上下しています。正常血圧の人も高血圧の人も走ったり緊張したりすると血圧があがるのは同じことです。
そしてある程度経てばもとの血圧に戻っていくのも同じです。
このように人間には血圧を一定に保つための機能があります。
よく水を撒くホースに例えられますが、ホース(血管)が劣化すると硬くなったり破れたりしてきます。
血管に置き換えて考えてみると硬くなったり破れたりすることは怖いことですね。
また、ホースの中の水の量によってもホースへの負担は変わってきます。
このように血圧は数値をもって血管や血液の量の異常を知らせてくれています。
正常に保つはずの機能が高くなってしまっているのですから、この状態が続くのは良いことではありませんね。
血圧が上がるのは加齢による自然現象です!
先ほどもあったように【加齢】は血圧をあげるリスクになります。
しかし、歳をとることは自然な現象なので、それによる血圧の上昇もいたって普通のことです。
もしろ高齢になっても正常血圧であることの方が稀なぐらいです。
加齢による血圧の上昇は自然なことと受け入れると同時に、歳をとったから健康に気を配ることは愛車のメンテナンスぐらい必然だということを知っておきましょう。
血圧にも個性がある
血液は心臓のポンプ機能によって全身に張り巡らされた血管を通って酸素や栄養を届けています。
血液も液体ですからより高いところへ送るときの方が強いポンプ機能が必要です。
身長が150cmの人と190cmの人とではそのポンプ機能にも多少の違いがあるでしょう。
ちなみにキリンの血圧は上が260、下が160だそうです。人間であれば圧倒的高血圧です。
5メートルもの身長の先まで血液を送り届けないといけないため、その心臓は人間の36倍の11㎏もある巨大なものだそうです。
身長だけでなく筋肉量や肺活量によっても血圧は異なってきますので、血圧には“個性”があると知っておくことが大切ですね。
薬で高血圧は治らない
ここまで血圧について色々書いてきましたが、衝撃的な一言を最後に。
【薬で高血圧は治りません】
薬で血圧を下げることは可能です。例え、本態性高血圧であろうと二次性高血圧であろうと加齢が原因であろうとキリンであろうと薬を飲めば血圧は下がります。
しかし、薬をやめればまたもとに戻ってしまいます。高血圧自体は薬で治療することは今のところできません。
特に不摂生や運動不足によって血圧が上昇した場合は生活習慣病ですから、原因となっている生活を改善しないことには根治は不可能です。
急性疾患は薬で治せますが、慢性疾患は薬では治りません。
それでもなぜ血圧が高い人に薬が処方されるのかというと、一番の理由は基準値が下がってきたことが原因です。
昔は『年齢+90』つまり50歳の場合、上が140以上でなければ問題ないという時代があったそうです。
10歳だったら上が100以上が問題になるというデタラメな定義です。
それが今では正常血圧が120/80mmHg未満とされたことから、高血圧と診断される方は年々増えています。
病名がつけば薬を処方しておくというのが医師の仕事ですので仕方がありませんね。
また、血圧の薬が比較的安全で安価になってきたというのも処方が増える原因になってきていると思われます。
まとめ
以上、血圧について色々書いてきました。
『薬に頼らず血圧を下げる方法』というタイトル通り、本書には様々な降圧方法が書かれています。
- 降圧のツボ
- 降圧ストレッチ
- 降圧アロマ
- 座禅呼吸法
- 男性は叫ぶ、女性はしゃべる(ストレスを発散する)
- スーパーで降圧剤を買う(血圧を下げる栄養素であるカリウムを含む食べ物について)
- 自然の利尿剤であるお茶を飲む(水分と一緒にナトリウムを排泄する)
などなど。
(降圧ツボについての図解と解説の例)
図を用いた解説が多いので、ここでは紹介しませんが気になった方は是非本書を手に取ってみてください。
患者さんからの相談に対して「それじゃあ薬を辞めてみましょう‼」とはなかなか言いにくいのが現状ですが、ひとりでも多く血圧について知ってもらうことで薬に頼らずに治療できればいいなと思います。
本日もお読み頂いてわたしの幸せがひとつ増えました。
コメントお待ちしております。