幸せの証拠

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ヒヤリハット事例と対策-⑫ 服用方法・食品アレルギー・適応にない効果

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こんにちは。まいまいです。

 


ブログを見に来てくださってありがとうございます。

 


今回は『ヒヤリハット事例と対策』の第12弾です‼

 


ここまで続けてきましたが、ヒヤリハット事例と対策はこれでいったんお休みになります。

 


また事例が集まれば、再開したいと思います。

 


今回は澤田康文先生の「ヒヤリハット事例に学ぶ服薬指導のリスクマネジメント3」を参考にさせて頂きました。

 

 

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薬は毎年出てくる新薬やOTC化(ドラッグストアで買えるようになること)されるものなどたくさんありますので、今後もヒヤリハット事例はさらに増えてくると思います。

 


薬について1から10まで知らなくても、ヒヤリハット事例を知っておくだけで応用できるものもたくさんあるのでこれからも知識のアップデートを続けていきたいですね。

 

 

 

 

事例:まとめて服用してはいけないと思っていた

 


対策


本書では血圧の薬など3種類を朝食後に服用中の患者さんについての事例が紹介されています。

 


血圧コントロールが不良で1種類薬が追加されたときに薬剤師が「他の薬と一緒で朝食後に飲んでください」と説明すると患者はこう言いました。

 


これまで朝食を3回にわけて、1種類ずつ薬を服用できていたが、もう1種類追加されたらもうこれ以上食事を分けることができない。

 


ん???と考えてしまうような内容ですが、つまり1回の食事に対して1種類の薬と考えられていたようです

 


朝食を3回にわけて摂って、そのたびに薬を1種類ずつ服用していたのだとか。。。

 


確かに患者さんに「朝食後に飲んでください」とは言いますが、「3種類を一度にまとめて飲んでも大丈夫です」とはなかなか説明しないと思います。

 


もちろん、朝食後や夕食後と服用時点が同じものは一度にまとめて飲んでも大丈夫ですし、そもそもまとめて飲んではいけないものは食前だったり食間だったりにずらして処方されていることが多いです。

 


ただ、複数の薬を飲んでいる患者さんから「一度に服用して大丈夫ですか?」と聞かれることがわたしも過去に何度かありました。

 


一度に複数の薬を飲んでいる患者さんの中には「こんなにたくさんの薬を一度に飲んだら危険なのでは」と思っている患者さんもいるということですね。

 


「一度にまとめて飲んでも大丈夫です」というお伝えの仕方もありますが、「薬がたくさんで一度で飲むのが大変であれば、2回3回に分けて飲んでくださいね」というお伝えの仕方でも「1種類ずつにわけなくていいの!?」という疑問の解決策にもなりますね。

 


心配性だったり、几帳面な性格をされている方には「服用時点が同じものはまとめて飲んでも大丈夫」とそっとお伝えできるような言い回しを準備しておくといいかもしれません。

 

 

事例:ゼラチンアレルギーの患者さん

 


対策


薬は口に入れるものが多く、食品のようにアレルギー症状を起こす人もいます。

 


食品のアレルギーといえば、パッケージなどでもよく目にする7つの“特定原材料”が有名ですよね。

 

 

  • 小麦
  • そば
  • 落花生(ピーナッツ)
  • えび
  • かに

 


以上の7つです。

 


そして特定原材料に準ずるものとして21品目が推奨されています。アーモンドやイクラ、桃などがありますがその中に“ゼラチン”があります。

www.miraizaidan.or.jp

 


具体的な名前を挙げておくと、オノンカプセル(プランルカストカプセル)にはカプセルの添加物としてゼラチンが使用されています

 


本書が発売された2010年の時点ではゼラチンを含有するカプセル剤が原因でアレルギー反応が起こったという報告はないと記載されています。

 


口の中に入れた時点から、体の中にある消化酵素の働きによってゼラチンが分解されることによって抗原性を失うからだと考えられています。

 


ただ、ワクチンを中心として注射剤や坐剤などでゼラチンアレルギーを起こした報告が挙がっているので注意は必要です。

 


患者さんに渡る薬情やお薬手帳に添加物の詳細まで記載されていることは少ないですが、今はネットで検索すれば添加物の詳細はすぐに調べられます。

 


ゼラチンアレルギーをお持ちの方がカプセルを処方されて、その添加物にゼラチンが含まれていたら例え消化管内で分解されてアレルギー反応が出ないとしても、口に入れることすらも嫌な気持ちになるでしょう。

 


そんなときは薬剤師が医師に相談をして、ゼラチンを含まない剤形や他の薬に変更の提案をすることで患者さんの満足度は上がるかもしれません

 


問診票のアレルギーの項目があれば、もれなくチェックするようにしましょう‼

 

 

事例:唾液過多は副作用のせいか

 


対策


アシノンニザチジンという薬を処方された急性胃腸炎の患者さん

 


服用し始めてから「唾液が増えた」と言われたため、胃腸炎による症状かと思っていたが内視鏡検査では胃に異常は認められませんでした

 


アシノンニザチジン)はH2ブロッカーと呼ばれ、胃酸分泌を抑制することで胃炎や胃潰瘍に用いられます

 


H2ブロッカーの中でもアシノンニザチジン)には多くはありませんが『唾液分泌促進』の作用があります。

 


ここで作用としたのは、添付文書で副作用の項目には記載はなく、薬効薬理の項目に唾液分泌促進があるからです。

 


唾液が出て。。。と患者さんに言われれば副作用を疑ってしまいますが、実はその作用自体に適応症とは別の働きがあることもあります。

 


患者さんにも「副作用です」とお伝えするより「そのような効果もある薬で人によっては気になるかもしれません」とお伝えする方が患者さんの気持ちも少し楽になるかもしれません。

 


アシノンニザチジン)を新規で処方されたときは注意するようにしましょう。

 


以上、ヒヤリハット事例と対策の第12弾でした。

 


1クール目を終えて、かなり投薬に自身が付きました。2クール目も是非やりたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します‼

 


本日もお読み頂いてわたしの幸せがひとつ増えました。

 


コメントお待ちしております。