幸せの証拠

幸せの証拠

日常の解像度をあげるためにできることを書いています

ヒヤリハット事例と対策-③ メーカー変更・薬の譲渡・適応外処方

f:id:nov5ive:20210612144229p:plain

 

 

こんにちは。まいまいです。

 


ブログを見に来てくださってありがとうございます。

 


今回は『ヒヤリハット事例と対策』の第三弾です‼

 


ヒヤリハットとは、危ないことが起こったが幸い事故には至らなかった事象のことです。ハインリッヒの法則が有名ですが、1件の重大事故のうらに29件の軽傷事故、300件の無傷事故(ヒヤリハット)があると言われています。

 


ヒヤリハット】は言葉を知っているだけでは何の役にも立ちませんので、事例を見て聴いて理解して実践に活かしていきましょう‼

 


今回参考にさせて頂いた書籍は澤田康文先生ヒヤリハット事例に学ぶ服薬指導のリスクマネジメント」です。

 

 

f:id:nov5ive:20210609121534j:plain



 


わたし自身の体験も織り込んでいきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 

 

 

 

 

同じ薬なのに色が違う

 


この記事を書いている2021年6月12日現在、勤め先の薬局でも多くのジェネリックメーカーで医薬品の欠品が相次いでいます。

 


その関係で今までと違うメーカーに変更してお渡ししている薬が多々あるのですが、その中でも“アムロジピン”の例を挙げてみたいと思います。

 


以前在庫していたアムロジピンOD錠2.5mg「日医工ピンク色のPTPシートピンク色の錠剤です。

 

 

f:id:nov5ive:20210612144236j:plain



 


その後、変更になったアムロジピンOD錠2.5mg「トーワ」青色のPTPシート黄色の錠剤です。

 

f:id:nov5ive:20210612144233j:plain

※薬の写真は「医薬情報QLifePro」からお借りしました。

http://meds.qlifepro.com/

 

 


初めて見る方であれば、同じ薬とは思えないですね

 


実際、患者さんに理由を説明してお渡しするも「見た目は違うけど同じ薬ってこと?」「同じ効果なんだよね?」と困惑される方が多いです。

 


薬剤師側からすると見分けがつきやすく取り間違えのリスクが減るので色がついているのはありがたいのですが、服用される患者さんからすれば“いつもと違う薬”という認識になってしまいます。

 


プラセボ効果”もありますから患者さんが不安になるような変更があった場合は必ず説明して安心してもらってから帰ってもらうようにしましょう。

 

 

薬の譲渡はたとえ家族でもダメ、ゼッタイ。

 


良く効く薬は人に教えてあげたいものだと思いますし、良いことだと思います。

 


しかし、実際に薬をあげることは様々なリスクがあるので絶対にやめましょう。薬局でも薬がなくなるペースが速い人には、他人への譲渡をしていないか確認すると良いでしょう。善意で薬をあげていても、副作用で事故につながることもあります。

 


よくある例は痛み止めの内服や湿布薬です。よく効くからと家族や知り合いにあげていると言われる患者さんもいますが、痛み止めの内服や湿布薬でも重大な副作用は十分起こり得ます。

 


痛み止めの内服であれば、胃潰瘍が起こることがあります。胃は見えませんし、発見が遅れがちになります。痛みや違和感が出てくる頃には胃の内部がかなり荒れてしまっています。

 


湿布薬でもショックやアナフィラキシーが起こる可能性はありますし、中でも接触性皮膚炎や光線過敏症などでは使用した部位から全身に紅斑・発疹・刺激感などが広がり、一生元に戻らなくなる可能性もあります

 


薬にはメリットがある反面、かならずデメリットがあります。受け取る際には医師や薬剤師などから説明を受けたうえで使用するようにしましょう。

 

 

適応外処方は知っておくだけで安心

 


薬の本来の使い方ではないけれど、過去の実績などから効果のある使い方をすることがあります。それが“適応外処方”です。

 


2つ1つ例をあげたいと思います。

 


漢方薬芍薬甘草湯は鎮痛の目的以外に生理不順の治療に使用されることがあります。プロラクチンというホルモンの働きを正常化する効果があり、1日7.5gを10-18週間経口投与することで排卵障害患者の42%に効果があるそうです。産婦人科から芍薬甘草湯が処方された際には注意が必要です。

 


抗菌薬のアジスロマイシンを1回1000mg(250mgの錠剤を4錠)1日分という処方があります。性行為感染症クラミジア感染症に対しての処方です。こちらは実際に見た処方箋で、産婦人科から処方がきました。その前にも同じような処方があり、他の薬剤師さんが調べて注意喚起してくれていたために実際わたしがお渡しする場面では落ち着いて対応できました。

こちらは適応外処方ではなく、れっきとした適応内のものでした。添付文書にも記載がありました。勉強不足ですみませんでした。

 


このように生理不順の患者さんに「痛み止めです」と言ったり、性感染症の患者さんに「風邪ですか?」と聞いてしまったりして混乱させることがないように適応外処方についても知っておくとよいでしょう‼

 


以上、『ヒヤリハット事例と対策』第三弾でした。

 


みなさんからも事例について教えて頂けると幸いです。

 


本日もお読み頂いてわたしの幸せがひとつ増えました。

 


コメントお待ちしております。