幸せの証拠

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ヒヤリハット事例と対策-⑨ 薬情・便の色・剤形変更

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こんにちは。まいまいです。

 


ブログを見に来てくださってありがとうございます。

 


本日は『ヒヤリハット事例と対策』です‼

 


今回は澤田康文先生の「ヒヤリハット事例に学ぶ服薬指導のリスクマネジメント2」を参考にさせて頂きました。

 

 

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最近はジェネリック医薬品の供給が不安定で患者さんに変更をお伝えすることが多くなっています。

 


そんなときでも患者さんが不安にならないようにしっかりと経緯や安全性をお伝えして服薬してもらえるようにしたいですね。

 

 

 

 

事例:薬情の写真が実物と違う‼

 


対策


これは実際に最近勤め先で2件立て続けに起こりました。

 


1つ目はフェキソフェナジン細粒です。薬局では0.3g包装0.6g包装の2つを採用していました。

 

  • 0.3g包装

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  • 0.6g包装

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薬情には0.6g包装のものは0.6g包装の製剤写真が正しく載るようになっていたのですが、0.3g包装のものにも0.6g包装の製剤写真が載っていました。幸い投薬中に気づけたので「写真は異なりますが同じ薬なので問題ありません」と注意してお渡しできました。

 


もし0.3g包装をお渡しした患者さんが0.6g包装の製剤写真を見て倍量飲まないといけない‼と思ってしまったら大変でした

 


規格や包装単位が複数あるものは注意しておきましょう。特に新しく在庫するようになった薬は要注意です‼

 


2つ目はメルカゾール錠です。甲状腺機能亢進症によく使用される薬で飲んでいる患者さんも非常に多いです。

 


メルカゾールと聞けば白色の糖衣錠のイメージがあるかと思います。

 

 

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しかし、2020年にデザインが変更になったことで黄色の錠剤に変わりました。かなり大胆な変更だったので薬局内でもかなり話題になりました。

 

 

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同じ薬には思えませんよ。そのため、どこかのタイミングで患者さんに変更お伝えしないといけないのですが、注意するのは錠剤だけではありません

 


“薬情”の製剤写真も変更しておかないと患者さんを混乱させてしまいます

 


薬局では昨年の糖衣錠だったころから「今後デザインの変更があります」とお伝えしていたので、患者さんから電話で質問を受けることはありませんでした。

 


また、薬情もしっかりと切り替えできたのでクレームもありませんでした。

 


薬のデザインの変更は薬局ではどうしようもないことなので、できる限り患者さんに納得してもらってからお渡しするようにしましょう。

 

 

事例:便の色が変わる薬

 


対策


貧血に使われる薬として“鉄剤”があります。これらを服用することで便の色が黒くなることがあります

 


これは副作用というよりは、鉄本来の黒い色(錠剤自体は白色や赤色)が体内に吸収されず便に出てくるために起こるものです。

 

  • 鉄剤①

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  • 鉄剤②

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初めて服用される患者さんには必ずお伝えするようにしましょう‼知らないと副作用かと思ってびっくりされてしまいます

 


また、てんかんなどに使用される“デパケンR錠”では便の中に錠剤の一部がそのままの形で排泄されることがあります。これは賦形剤の一部であり、主成分が溶け出した後のものなので心配はありません。

 

 

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便の中に錠剤の形をしたものが出てくるというのは、薬を飲んでいる人からするとやや気持ちが悪いと思います。

 


そのため、「心配いりません」ということを強くお伝えする必要があるかと思います。

 

 

事例:普通錠を口腔内崩壊錠だと思って口の中で溶かして服用しようとした

 


対策


先発品であれば普通錠→口腔内崩壊錠、もしくは口腔内崩壊錠→普通錠へ変更になることはあまりありません。

 


あるとすれば、患者さんの嚥下機能の低下や口腔内崩壊錠を口に入れた時の違和感があった、転院や薬局の在庫不足などが考えられます。

 


しかし、ジェネリック医薬品であれば普通錠であっても口腔内崩壊錠であっても患者さんに同意を得られれば多くのものが変更可能です。

 


そのため、「以前は普通錠でもらっていたのに口腔内崩壊錠に変わってから口の中に違和感がある」や「お水がなくてもすんなり飲めていたのに普通錠に変わってから口の中で全然溶けない」といったクレームが出てくる可能性があります。

 


これを防ぐためには、ジェネリック医薬品に変更した際の剤形の変更時(普通錠→口腔内崩壊錠、口腔内崩壊錠→普通錠)に患者さんに「ジェネリック医薬品に変更した」ということだけでなく「剤形が変更になったので水で服用する/水なしでも服用できる」ということをお伝えした方が良いでしょう

 


剤形の変更が嫌で服用をやめてしまったり、ジェネリック医薬品を希望しなくなったりすると患者さんに不利益が生じてしまいます。

 


そのような事を避けるためにも、剤形の変更時には必ず服用方法を再度確認しましょう。

 


以上、本日も3つのヒヤリハット事例と対策を紹介しました。

 


薬剤師であれば当たり前のように説明していることですが、上手く意味が伝わっていなかったり初めて処方されば場合などでは丁寧に説明する必要があります

 


他の薬局で貰われている薬についても正しい知識や服用方法が伝えられているか確認するのもいいかもしれませんね。

 


本日もお読み頂いてわたしの幸せがひとつ増えました。

 


コメントお待ちしております。