幸せの証拠

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読書感想文~科学的に血圧を下げる方法~

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こんにちは。まいまいです。

 


ブログを見に来てくださってありがとうございます。

 


前回は『薬に頼らず血圧を下げる方法』について書きました。

 

 

 

shiawase-shouko.hatenablog.com

 

 


今回も引き続き血圧をテーマにした『科学的に血圧を下げる方法』という本について内容と感想を書いて行きたいと思います‼

 

 

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著者は医学博士で高血圧専門医である渡辺尚彦先生です。携帯型血圧計を365日24時間装着しておられ、《ミスター血圧》の異名をお持ちの方です。

 


論文だけでなく、ご自身で試された方法や患者の記録を用いて執筆されているため説得力がすごくありました。

 


同時に血圧のことが本当に好きで研究されているんだろうなと感じる内容でした。

 


血圧が気になっている方は是非参考にしてみてください‼

 

 

 

 

 

 

科学的な降圧法

 


この項目が本書のメインとなる内容です。そして同時にわたし自身今までどれだけ高血圧治療についての知識が浅いものだったか思い知るきっかけになりました

 


血圧は1日のうちで一定ではありません。朝起きて活動を始めるときには高くなり、夜に向かっていくに連れ次第に下がっていきます。

 


ほとんどの人がこの傾向に当てはまると思います。

 


さらに言えば、1年という長い期間でも夏は気温が高いため血圧が低く、冬は寒さで血圧が高くなるといったように一定ではありません。

 


冬だけ血圧の薬を飲むという患者さんも珍しくありません。

 


病院で処方される薬といえば朝食後や夕食後、寝る前がほとんどです。

 


作用時間的には1日1回で24時間効果があるものであればいつ飲んでも効果は得られる(=血圧は下がる)とわたし自身思っていました。

 


しかしこれは全くの思い込みで、本書では同じ薬であっても服用するタイミングによって血圧の下がる幅が違ったり、かえって血圧をあげてしまうタイミングもあると解説されています。そして実際のデータも載せられています。

 


これが時間療法です。

 


確かに同じ患者が同じ薬を飲んでいても、朝と夜だと夜の方がよく効くというパターンはよくあります。

 


しかし、渡辺先生はさらに服用のタイミングをさらに細かく分類して起床時を起点に0時間・3時間・6時間・9時間・12時間・15時間・寝る前の7パターンで治療されています。

 


この時間療法の7パターンを試すときには1パターンで少なくとも1か月は試す必要があると言われているので、1つの薬につき7か月もの試験期間が必要になります。

 


逆言えばそれだけ真剣に血圧に向き合っておられるということです。全ての医療機関でこれを実践するのは難しいですが、知識として服用時間を変えることで異なる結果が得られるということは知っておいて損はありませんね

 


薬を変えたり増やしたりすることなく同じ薬でより効果のある方法があれば、医療にとっても患者にとってもWIN-WINの関係に成り得ます。

 

 

 

 

科学的に血圧を下げる食品

 


いつの時代でも「○○が血圧を下げる効果がある」とか「△△で痩せられる」などの情報はあります。

 


渡辺先生はさらにその効果を科学的に判定し、エビデンスを集めておられます

 


その中でも特に効果が大きかった降圧食品を3つ紹介させて頂きます。この降圧食品と先ほど解説した『時間療法』を組み合わせることも非常に有効なので是非試してみてください‼

 


お酢

 


お酢が血圧を下げることはよく知られているようですが、そのカニズムもすでに判明しています

 


お酢の主成分は酢酸です。酢酸が体の中に入るとアデノシンという血管拡張物質の分泌を促して血圧を下げることが分かっています。

 


また、大手食品メーカーのミツカンの研究所では、血圧が高めの36~65歳の57名を対象にしたお酢1日大さじ1杯のグループと1日大さじ2杯のグループで血圧の変化を実験したデータがあります。

 


その結果は収縮期血圧(上の血圧)が1杯のグループでは約10mmHg、2杯のグループでは15mmHg低くなるというものでした‼

 


お酢の効果は実証済みということですから、上手く生活に取り入れていきたいですね。

 


レモン果汁

 


レモンも血圧を下げる食品のひとつとして取り上げられています。

 


レモンには減塩効果が期待されます。レモンの酸味には塩味を引き立てる効果があるため、自然と塩分の摂取量を減らすことができるからです。

 


また、レモンそのものにもレモンフラボノイドという血圧の上昇を抑える有効成分が含まれています。

 


レモンの一大産地である広島県大崎上島町の住民を対象にした健康調査によると、レモンを1日0.7個摂取している人はそうでない人と比べて収縮期血圧が低く抑えられていることがわかりました。

 


また、著者の渡辺先生が患者さんに毎日15mlのレモン果汁を摂ってもらった実験では、2か月間起床時に飲むことで平均8.6mmHg血圧が下がったという結果が出ています。

 


その効果は飲んだあとの一時的なものではなく1日を通してすべての時間帯で飲む前よりも血圧が下がったということですから、降圧剤を飲むのと同じ効果が得られている結果になりますね。

 


レモン果汁を毎日摂取することは難しいですが、1日効果が得られるのであればデザートや清涼飲料水でレモン果汁を含むものを選ぶのもいいかもしれません

 


皮付きピーナッツ

 


ピーナッツは高カロリー高脂肪で一見、健康に良くないと思われますが飽和脂肪酸不飽和脂肪酸がバランスよく含まれており、コレステロール値を下げたり血管を強くする効果が期待されています

 


コンビニなどで売られているピーナッツは皮がなく塩分もプラスされているため逆に血圧をあげてしまいます。

 


ピーナッツの皮にはポリフェノールが豊富に含まれており、高い抗酸化作用(血管のサビつきを防ぐ働き)や血圧降下作用が知られています。

 


渡辺先生は皮付きピーナッツを毎朝20粒患者さんに食べてもらう実験をしたところ、収縮期血圧が平均8.3mmHg下がったという結果が得られました。

 


血圧1mmHgの減少はほぼ減塩1gの効果に相当します‼これらの食品の効果はかなりの減塩に匹敵するほどの降圧作用があることになります。

 


その他

 


他にもぶどうジュースやアフリカのカラハリ砂漠で生まれた野生種のスイカであるカラハリスイカ(!)ダークチョコレート納豆甘酒みそ汁お茶魚介類マグネシウムなども降圧作用があるそうですが、紹介した3つほどではなく、また生活にも取り入れづらいものが多いために詳細は省かせて頂きます。

 

 

 

 

科学的に血圧を下げる日常生活の知恵

 


合谷のツボ指圧

 


前回の『薬に頼らず血圧を下げる方法』でもご紹介したようにやはり“ツボ”には一定の降圧効果があるようです。

 

 

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ハンドグリップ法

 


こちらも色々な書籍で紹介されています。

 


丸めたタオルを握るだけで血圧が下がるというお手軽な方法なので紹介しやすいですね。

 

 

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カニズムとしては、手を握って前腕に力を入れると筋肉が収縮して血管が圧迫されるので、血管内の血流は一時的に停滞します。すると腕の動脈の内皮細胞は血管を拡張させるNO(一酸化窒素)を放出します。握っていた力を緩めると前腕の筋肉も緩んで血管が圧力から解放され、握る前よりも多くの血液が勢いよく流れます。その結果、NOが全身に行きわたり血圧が下がってくるのです。

 


このハンドグリップ法は毎日行っても、週3日だけ行っても効果は変わらないという報告があります。週3回行うと4週間ほどで効果が出てきますが、やめると2週間ぐらいで元の血圧に戻ってしまうそうです

 


どんな画期的な方法も継続することが大切ですね。

 


その他

 


他にたくさん歩くこと階段の上り下りなど運動も推奨されています。

 


わたし的に意外だったのはきつい下着や服をやめることです。

 


確かにきつい下着や衣服を着用すれば血圧は上がるでしょう。しかし、それが制服だったり毎日の習慣になってしまっているとなかなか血圧が上がっている原因だとは気づけません

 


女性はストッキングや補正下着、ベルトなどのちょっとした衣服でも血圧が上がる原因になりそうなものがあるので注意が必要です。

 


血圧についての指導をする際には取り入れていきたいと思いました‼

 

 

 

 

血圧を科学的に下げるための理論

 


減塩

 


まずはなんと言っても減塩でしょう。渡辺先生も色々な降圧薬や降圧食品を試す前にまずは減塩をおすすめされています。

 


特に良い方法だと思ったのは1か月のうち1週間だけ減塩するものです。そうすると他の3週間は塩分を感じやすくなります。

 


減塩された食事を毎日続けると逆に塩分を欲しくなってしまいますが、1週間だけ減塩してあとの3週間は普段通りにするのであればそれほど我慢せずにすみます。

 


わたしも食生活の変化で2か月ほど減塩した食事を摂った期間がありましたが、その後はカップ麺やスーパーのお惣菜などがすごく塩辛く感じてしまうことがありました。

 


そのとき、たった数か月だけでも人間の味覚は変わるんだと思いました。

 


ちなみに、渡辺先生が勧めておられる1週間減塩、3週間普通食の方法は毎月繰り返し行うことでだんだんと減塩に慣らしていくものなのでここでもやはり継続が大切です。

 


その他

 


他に紹介されているものを簡単に。

 

 

  • たばこ→ニコチンを吸うことでアドレナリン・ノルアドレナリンなどの交感神経刺激ホルモンが分泌されて血圧上昇、心拍数も増加します。

 

 

  • アルコール→一時的には血圧を下げますが、長期にわたって飲むほど逆に血圧をあげることがわかっています。

 

 

  • 肥満→肥満はインスリン抵抗性を引き起こします。そのため、インスリンの分泌量が増え、交感神経が刺激され、腎臓でのナトリウム再吸収が促進されて血圧が上昇します。

 

 

  • 運動しない→運動をすると血管内皮細胞から血管拡張物質であるNO(一酸化窒素)が放出され血圧が下がります。また、激しい運動は血圧を上昇させるのでたくさん歩いたり、ストレッチなど軽めの運動を継続的に行うことが重要です。

 

 

  • 睡眠不足→眠気を我慢していると交感神経が刺激されて血圧が上がります。

 

 

  • 怒り→激しい怒りは交感神経を刺激します。

 


以上、『科学的に血圧を下げる方法』について書かせて頂きました。

 


まずは簡単に生活に取り入れられるものから始めて、継続することを目標にしてみましょう。

 


そしてこれからの時代はテーラーメイド医療と言われています。自分に合った医療を自分で見つけることも良い生き方だと思います。

 


本日もお読み頂いてわたしの幸せがひとつ増えました。

 


コメントお待ちしております。