読書感想文『睡眠負債』
こんにちは。まいまいです。
ブログを見に来てくださってありがとうございます。
今回も睡眠シリーズです‼タイトルは『睡眠負債』。NHKスペシャル取材班による実験とデータによって書かれた一冊です。
サブタイトルが「“ちょっと寝不足”が命を縮める」であるように、睡眠負債は命にかかわるものです。
一体、それはどんなものなのか簡単に解説していきたいと思います‼
睡眠負債とは
まず最初に“睡眠負債”という言葉の定義ですが、負債というだけあって返さないといけない睡眠。つまり睡眠の借金です。
平日は仕事に家事に忙しくて睡眠時間が確保できないために、休日にいつもより遅く起きて寝だめをしようとしたことはありませんか?
このとき、時間を気にせず寝て、いつもより多く寝た場合は睡眠負債ありです‼
よく考えてみてください。普段、しっかり寝られているとすれば、なぜ休日になるといつもより起きるのが遅くなるのでしょう。
もっと長く寝たいと思う状態が異常なのです。理想は平日に目覚めても「もっと寝たい」などと思わずに仕事に向かい、休日は平日と同じ時間に自然と目が覚める状態です。
しかし、このような理想の状態で過ごしている方はごく稀でしょう。
誰もが、早く寝た方がいいと分かっていて、毎日起きる時間は一定の方が良いと頭では分かっています。
でもそうしないのはなぜなのか。
子どもとってよく寝ることは良いことだと全ての大人が頭では理解していますが、実際には夜更かしさせてしまうのはなぜなのか。
それは睡眠負債がいかに恐ろしいものか分かっていないからです。
睡眠負債と日常生活
睡眠不足の怖いところは睡眠が減っていることではありません。
睡眠不足による能力の低下に気づいていないことです。
誰もが経験したことがあると思います。
大切な授業なのに眠くなってしまうこと。周りの目があるのにも関わらず、仕事中にあくびをしてしまうこと。居眠り運転は危険だと思いながらもつい目を閉じそうになってしまうこと。
これらは睡眠負債によってももたらされます。
また、若い頃は10時間以上眠れた人も高齢になると寝付きが悪くなり、睡眠時間も短くなります。
年齢による違いや個人差はありますが、一般的に睡眠時間は5時間は切らない方がいいとされています。
基本的には7~8時間寝ると良いとされており、ほとんどの方がこれに当てはまります。そして、これが一番健康被害がなく死亡率が下がる睡眠時間と本書で紹介されています。
睡眠不足が学業成績、運動能力、仕事の質の低下と関連することも実験により示されています。
命にかかわる睡眠負債
普段薬局で勤務していて、不眠症に悩んでいる方はかなり多いように感じます。
高齢になるほどその傾向は強くなりますし、健康であっても睡眠不足だけに悩んでいる患者さんもおられます。
日本人を対象にした調査によれば、5人に1人が睡眠に問題を抱え、60歳以上の方では約3人に1人が睡眠問題で悩んでいます。
そして、睡眠負債は認知症、高血圧、糖尿病との関連性も指摘されています。
これは単なるイメージですが、睡眠に問題を抱えている人とそうでない人、どちらが他の病気を併発している確率が高いでしょうか。
睡眠不足はストレスにつながりますし、ストレスは血圧を上げたり暴飲暴食につながります。
つまり、睡眠に問題をかかえることで病気になる可能性があるのです。
睡眠負債に関するQ&A
日本の学校では睡眠について学ぶ機会がありません。先進国で睡眠の授業がないのは日本ぐらいだと本書に記載されており、自分はとても衝撃をうけました。
そんな睡眠についての疑問が本書にはQ&A方式で記載されていますので重要な点だけ簡単にまとめてみたいと思います。
Q.睡眠負債は一度に全て返済できますか。
A.できません。1日24時間と限られていますし、15時間も20時間も寝るのには無理があります。
例えば平日に5時間(1時間×5日)の睡眠負債を抱えても、休日に4時間(2時間×2日)でほとんど返済できる場合もあり、数字の足し引きだけではありません。
Q.寝だめはできますか。
A.できません。生活のバランスが崩れて新たな睡眠負債につながります。
Q.夕食後に1時間眠り、その後入浴などのために起きてからまた5時間寝た場合は6時間連続で眠ったのと同じ効果は得られますか。
A.得られません。5時間睡眠よりはマシですが、6時間と同じではありません。
Q.昼寝や仮眠で睡眠負債を返済できますか。
A.できません。昼寝や仮眠は脳のリフレッシュには成り得ますが、完全に脳を休めていることにはなりません。
Q.睡眠の質が大切と聞いたことがありますが、質で量を補えますか。
A.補えません。いくら質が良くても時間が短ければダメです。また、質の良い睡眠は年齢とともに減ってきます。筋肉量や日中の運動量に影響されるからです。
Q.寝る前のスマホ、アルコール、カフェインは。
A.ダメです。スマホであれば就寝の2時間前、アルコールとカフェインは3時間前にはやめるようにしましょう。
Q.うつ伏せで寝る、テレビをつけながら寝る、部屋を明るくしたまま寝る、ソファで寝るのは。
A.睡眠の質が悪くなります。やめておきましょう。
Q.ストレスや不安、尿意などで十分に寝ることができません。
A.慢性的に続く場合は病院を受診して原因を取り除くようにしてください。
ここまで、Q&Aを見てきましたがどれもよくよく考えてみれば当たり前のものです。
そして最後に誰にとっても当たり前な、【すみやかに寝るための10ヵ条】を紹介しおきたいと思います。
- 午前中に日の光を浴びよ
- 食事の時間は一定にせよ
- 運動は夕方に。散歩もよし
- カフェインは寝る3時間前まで
- 鮭は寝る3時間前まで
- 寝る2時間前より強い光を避けよ
- 風呂は寝る30分前に
- 寝室は18~26℃に保つべし
- 布団でのスマホ・ゲームは御法度
- 寝なきゃとあせるべからず
以上、『睡眠負債』について簡単いご紹介しました。
睡眠にとって、した方が良いこととしない方が良いことが分かったら、是非それを“当たり前”にしていきましょう。
きっと良い睡眠はより良い人生へ導いてくれます。
本日もお読み頂いてわたしの幸せがひとつ増えました。
つい夜更かしをして記事を書いてしまいました。おやすみなさい。