読書感想文『やってはいけない眠り方』
こんにちは。まいまいです。
ブログを見に来てくださってありがとうございます。
前回は睡眠薬について記事にしました。
shiawase-shouko.hatenablog.com
本日も睡眠シリーズです‼タイトルは『やってはいけない眠り方』。著者は国立精神・神経医療研究センター部長の三島和夫先生です。
本書の【はじめに】に書かれている通り、睡眠は1日の疲れを取る大事な休息時間であると同時に、日中に受けたダメージ(主に脳)や細胞、臓器の修復をしたり大事な記憶をしっかりと固定するなど翌日に向けて心身を整える準備時間でもあります。
健康を維持するために必要な睡眠時間は、おのおの体質的に決まっていて、人為的に短くすることはできません。
その意味では睡眠は“削る(節約する)”ことのできない生活上の固定費だと言えます。
まずは日々の固定費(睡眠)が適切かどうか考えてみることから始めましょう。
30歳を過ぎれば8時間も眠れない人が多くなる
若い頃は10時間以上眠れたのに、最近は眠りたくても自然と起きていますという方もいるのでは?
かくいうわたしも最近は8時間ほどで勝手に目が覚めます。10時間以上寝ることは1年の間で数えるほどしかありません。
そんな悩みをお持ちの方も、心配する必要はありません。
世界各国で行われた多数の睡眠研究から、「成人後の睡眠時間は10年ごとに10分ずつ短縮する」、「夜間の中途覚醒時間は10年ごとに10分ずつ増加する」という結果が導き出されています。
このことから、1日8時間というのは働き盛りの30代や40代でも長すぎるぐらいで、70代以降は6時間程度しか眠れないことがはっきりしています。
まずは“歳を取れば睡眠時間は短くなるもの”という考えを持つことが大事です。
まとまった睡眠を取ることが大事
「午後10時から深夜2時は、お肌のゴールデンタイム」というフレーズを聞いたことがあるかもしれません。
本書ではこれを“間違い”だと指摘しています。正確には“誤解”です。
皮膚の修復にも関わる成長ホルモンが分泌されるのは主にノンレム睡眠(脳が休まる深い睡眠)の最中です。
そのため入眠から約3時間の間に集中して分泌されます。つまり、眠りはじめの時間が変われば、分泌される時間帯も変わります。午後10時から深夜2時と決められているわけではないのです。
世間でいう「ゴールデンタイム」が終わった午前2時、3時に寝ても、入眠から3時間後ぐっすり眠ることができていれば成長ホルモンはしっかり分泌されています。
夜型が不健康なわけではない
「自分は朝方だから朝仕事をするのがいい」、「自分は夜型だから夜遅くまで起きていても平気」といったこともしばしば言われます。
著者の経験から言えば、間違いなく「朝方」と「夜型」の人はいるものの、ほとんどの人が中間型であり、無理しているだけだと結論づけています。
以下のグラフは朝方夜型チェックリストによる分類を表したものです。
そして、こちらがわたしがチェックシートに回答して得られた結果です。
普通の中の普通。キングオブ普通ですね。朝早いのも夜遅いのもどっちも辛いです。
皆さんも是非、「睡眠医療プラットフォーム」で質問に答えてみてください。朝型か夜型か、それともわたしを超える普通かもしれませんね。
「早寝早起き」ではなく、「早起き早寝」を目指そう
普通、規則正しい睡眠生活を目指すときにまず考えるのは「早寝早起き」ですよね。
しかし、著者は「早起き早寝」を目指そうとおっしゃっています。
そもそも人間は起きる努力はなんとかできますが、寝る努力はできないのだそうです。
早く寝よう!と思ってベッドに入ったものの、逆に寝付けなくなった経験は誰もがあると思います。
そんなときは無理して眠ろうとしなくていいのです。人間ですから1週間も寝ないままなんてことはありえません。
いつか必ず眠たくなるときがきます。そこで大事なのが「早起き早寝」です。
寝付けなくて寝るのが遅くなってしまったからといって、起きる時間も後ろにずらすことはしてはいけません。
起きる時間はいつも通りにするのです。そうすると、睡眠時間がいつもより短いわけですから早く眠気がやってきます。
多くの人はお昼の前後に眠気がくるでしょう。しかし、そこでお昼寝をしてしまわずに(例え寝てしまっても30分で起きるようにアラームを設定しておく)、耐えることで夜にしっかりと眠気がやってきて「早寝」をすることができます。
以上、『やってはいけない眠り方』についての読書感想文でした。
睡眠は脳に占める割合が多く、まだまだ解明されていないことがたくさんあります。
その証拠に著者も次のようなことをおっしゃっています。
以前は“常識”と考えられていたことが研究の進展とともに“非常識”に変わることがあります。睡眠の分野はそのような事例が目白押しです。
わたしが医者になりたての頃は「眠れなければ静かに横になって眠気が来るのを待つ。横になれば体だけでも休まる」と患者さんに説明するのが常識でした。
ところが現在の治療書では患者さんに言ってはいけないリストの1番目に挙げられています。代わりに使われているのは、
「ふとんで悶々としていることが不眠を悪化させる」「眠れないなら思い切ってふとんから出る」「寝るための努力をするのではなく、必要最小限睡眠をコンパクトにとるために遅めの就寝時刻まで起きる努力をする」
ぜんぜん違いますよね。
長い年月、長い時間付き合っていく必要のある睡眠ですから、正しい知識と正しい方法で良い睡眠生活を送りたいですね。
本日もお読み頂いてわたしの幸せがひとつ増えました。
コメントお待ちしております。