幸せの証拠

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読書感想文『健康格差』

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こんにちは。まいまいです。

 


ブログを見に来てくださってありがとうございます。

 


本日は久しぶりに読書感想文です‼タイトルは『健康格差 あなたの寿命は社会が決める』。本書はNHKスペシャル取材班によって執筆されました。

 

 

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NHKスペシャル取材班は以前に睡眠負債でも読書感想文を書かせて頂きました。

 

 

 

shiawase-shouko.hatenablog.com

 

 


どちらも読んでいて、現代の日本におけるリアルがそのまま書かれていてキュッと身が引き締まる思いです。

 


是非参考にしてみてください。

 

 

 

 

雇用と所得

 


まず最初に本書では【雇用と所得】、【地域における健康格差】、【打開策】、【自治体の取り組み】、【健康格差の自己責任論】のパートに分かれています。

 


その中でも今回は特に【雇用と所得】にスポットをあててみたいと思います。

 


低所得者の死亡率は高所得者の3倍である”

 


いきなり衝撃的なワードが飛び出してきました。これは2008年に発表された調査の結果です。

 


また、WHO健康格差を生み出す要因として、

 

 

  • 所得
  • 地域
  • 雇用形態
  • 家族構成

 


以上の4つが背景にあると指摘しています。

 


所得が健康に及ぼす影響はあると考えてまず間違いないでしょう

 


もちろん、低所得でも健康な人はたくさんいますし、高所得でも不健康な人もいます

 


傾向として正規雇用の人は、正社員よりも糖尿病網膜症を悪化させる割合が1.5倍高いと言われています。

 


正規雇用だと年収が低くなりがちです。年収が低くなると健康に割ける時間やお金がどうしても少なくなってしまいます。

 

 

また、若い糖尿病患者では高卒・中卒の割合が多く、バランスの良い食事に関する知識がそもそもない可能性も考えられます。

 


これに関しては、知識は何歳からでも身につけられるので、本人の努力次第でなんとかなる可能性はあると思います。

 


ただ、バランスの良い食事が健康を生み、健康が年収につながり、結果もっとバランスの良い食事につながることに気づくのには教育が必要です。

 


しかし、教育を受けるにはお金と時間が必要というジレンマがあるのも事実です。

 


“未婚男性の死亡率が既婚男性と比べて高い”

 


これは食生活が主な原因と考えられています。未婚男性は外食や中食が多くなりがちだからです。

 


これだけ偉そうな口を叩いているわたしでも、家族が出かけていて自分ひとりのときはインスタントラーメンや菓子パンで食事をすませてしまおうという気持ちになります。

 


健康によくないと頭では分かっていても、時間や手間を考えるとついそうしてしまうのです。

 


もちろん未婚が悪い訳ではありません。

 


時間とお金を自由に使えるし、素晴らしいことだと思います。しかしそれが、かえって自分の健康について疎かになりがちであることは頭に入れておく必要があると思います。

 


時間とお金が自由に使える土台は健康であることを忘れてはいけません。

 


安くて美味しいものには糖尿病の原因になる炭水化物、高血圧の原因になる塩分が多く含まれていることが多いです。

 


この現実を学校では習いませんし、親も教えてくれませんし、メディアも指摘しません。

 


流行りのジュースやスナック菓子、菓子パン、カップラーメン、ファストフードが若者にウケるのは安くて美味しいからです。

 


健康格差の是正には国をあげて取り組んでいく必要があると本書には記載されています。

 


すでに始まっていますが、人口減少が見込まれる日本で健康格差を放置すれば医療費や介護費の増大を招くだけでなく、国家財政をさらに圧迫することに繋がります。

 


日本の医療は素晴らしいものです。どこでも格安で最先端の医療が受けられるからです。

 


健康診断はもちろん、眼科や歯科なども定期的な受診をすることで健康に長生きする助けになります。

 


誰もが生涯ずっと健康でいられるわけではありません。

 


健康を著しく損なえば、必然的に仕事を辞めざるを得ないこともあります。職を失い、経済的に困窮したときは、生活保護が必要になってきます。

 


事実、高齢者の貧困世帯の増加にともない、生活保護の受給者は、年々増加の一途を辿っています。

 


そして生活保護を開始する理由の多くは「疾病」であることを頭の片隅に覚えておかなければなりません。

 

 

介護格差

 


高齢化社会の真っ只中にある日本ですが、その影響が介護にまで出始めています。

 


2000年に始まった介護保険制度ですが、原則1割負担で介護が受けられていましたが、2015年には高収入の方は2割負担に変更されました。

 


今後も高齢者の数が増えるため、特別養護老人ホームなど介護施設はどんどん数を増やしています。

 


それでもまだ、介護施設に入りたいけど空きが無くて入れないという状況です。

 


わたしが働いている薬局では介護施設へ薬を配達することも行っていますが、入所者さんが退所されるとすぐに別の入所者が決まります。

 


施設の方の話では入所を待っている人は100人以上ということで、全員の入所が決まるには5年以上はかかるでしょう。

 


これは自分だけの話ではありません。両親や祖父母が介護施設に入所する場合も想定しておかなければなりません。

 


有料の老人ホームでは一時金として100万円以上必要である上に、月々10~20万円前後の費用がかかります。

 


わたしが働いてる地域では2040年まで高齢者の増加が見込まれています。このような状況では介護保険の負担が減ることはまず間違いなく考えられません。

 


若くして健康を損なってしまい、介護をうけることになると金銭的に厳しくなることは間違いないでしょう。

 

 

地域格差

 


世界各国の塩分摂取量でみると、日本は上位です。他に塩分摂取量が多い国としては、タイ韓国中国などアジアが多く見られます。

 


ジャンキーな食べ物をたくさん食べているイメージのあるアメリオーストラリアと比べても日本の方が多いというのは驚くべき事実です。

 


そして胃がんになる人は世界的に見ても少ない中で、日本は胃がんの数が多い特殊な国です。

 


これは塩分摂取量と比例していることがデータとして裏付けられています。

 


地域の食生活による格差は日本国内でも見られます。

 


塩分摂取量が多い都道府県としては、秋田青森岩手山形など寒さが厳しい東北地方が挙げられます。

 


そして2017年度の調査ではありますが、秋田食道がん罹患率ランキング胃がん罹患率ランキングともに1位でした。

 


このように、生まれながらにして地域による食文化の違いで健康への影響は異なってくるという事実があります。

 


以上、今回は『健康格差』についての読書感想文でした。

 


毎日食べるパンやご飯、お惣菜などもカロリーや塩分を気にして選ぶことが、将来の健康格差につながってくるかもしれませんね。

 


本日もお読み頂いてわたしの幸せがひとつ増えました。

 


コメントお待ちしております。