幸せの証拠

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ヒヤリハット事例と対策-⑩ 薬の見た目・味・匂い

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こんにちは。まいまいです。

 


ブログを見に来てくださってありがとうございます。

 


今回でヒヤリハット事例と対策もついに10回目になります‼

 


取り上げる内容は、薬の見た目・味・匂いについてです。

 


今回も澤田康文先生ヒヤリハット事例に学ぶ服薬指導のリスクマネジメント2」を参考にさせて頂きました。

 

 

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ワクチン供給に遅れが出ていると同時に、首都圏での感染拡大そしてオリンピックを目前にして今後の日本がどうなっていくのか希望と不安の入り混じった夏になりそうですね。

 

 

 

 

事例:同じ薬なのに見た目が違う

 


対策


これはわたしも実際に経験がある事例です。薬剤師として働き始めて1、2年の頃に他の店舗で不動在庫になったエディロールカプセルを引き取ることになりました。

 


それまで中外製薬のものしか目にしたことがなくて、“併売品”があるとは思ってもいませんでした。

 


そして、不動在庫が送られてきた日に見てビックリ。エディロールのヒートが全然違う。。。

 

 

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幸いにも一包化で出ている人がいたので問題なく使用できましたが、患者さんにヒートのままお渡しすることになったら「見た目は違うんですが同じ薬で~」と不安にさせてしまうかもしれません。

 


また、モーラステープ久光製薬祐徳薬品工業との併売品です。こちらに関しては中の薬は見えないので、包装だけでは同じ薬に見えませんね

 

 

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勤務先では祐徳薬品工業のものを使用していますが、投薬した患者さんでも「もっと濃い色の袋だったような…」と言われることがときどきあります

 


こういうところは患者さんに便利なデザインにしてほしいと思いますね>メーカーさん

 


本書ではエビスタの併売品が取り上げられています。日本イーライリリーと中外製薬の2社らしいのですが、わたしは未だにリリーのものしか見たことがありません。

 


もしも、他局でもらわれていた処方箋を持ち込んでこられた患者さんにエディロールモーラステープ、エビスタなど併売品がある薬が出ていたら、「以前もらわれていた薬はこちらでお間違いないでしょうか?」などと併売品について説明すると、ヒートのデザインが違っても安心して飲んで頂けるでしょう

 

 

事例:賦形剤の違いで口当たりが異なる

 


対策


粉薬を袋に詰めてお渡しする際に、1包の量がごく微量である場合はどうしてもばらつきが大きくなっていまいます(例えば1回0.001g測り取っても0.0010gと0.0015gではたった0.0005gしか違わないものの両者は1.5倍の違いがある)。

 


そのため“賦形剤”という飲んでも何も効果のない粉を一緒に混ぜて体積を大きくすることで、ばらつきを小さくします。

 


その賦形剤ですが、薬の内容によっては1包に含まれる量が主成分よりも賦形剤の方が多くなることがあります

 


そうなると今度は賦形剤の味や粒子の大きさで飲んだ時の感覚が大きく違ってきます

 


他局や院内で使用されている賦形剤のメーカーにわざわざ揃える必要はありませんが、もしも賦形剤に違いがあるならば先に説明しておくことで患者さんが「以前と同じ薬のはずなのに飲んだ時の感覚が違う…」とならないで済むかもしれません。

 


実際に疾患を治療する効果はなくても、間違いなくプラセボ効果はありますので心理的な不安を取り除くことで治療に貢献することもできるでしょう

 

 

事例:薬の匂いが変

 


対策


薬って色々な匂いがすると思います。子供用の粉薬は甘い匂いがしますし、かゆみ止めの塗り薬などは薄荷のようなスッとする匂いがするものもあります。

 


しかし、いい匂いの薬もあれば悪い匂いの薬もあります今回取り上げるのは高血圧の治療にもよく使われている“オルメサルタン”という薬です

 


薬局側の人なら一度は嗅いだことのあるオルメサルタンの匂いカルピスみたいな匂いと言う人が多いと思いますが、本書ではオルメサルタンを一包化していて、他の薬にも匂いが移ってしまいクレームが来たという内容が紹介されています。

 


確かに、オルメサルタン単体であればこういう匂いなんだなで済むと思いますが、一包化された袋の中全体から匂いがすると“異変”だと感じてもおかしくないと思います。

 


良かれと思って甘い匂いのする錠剤を一包化したときも、患者さんによっては甘い匂いが苦手という人もいるでしょう。

 


薬の匂い(特性)を説明しておくことで、他の薬に匂いなどが移ったときも不安にならないで済むでしょう。

 


特にオルメサルタンは今後も一包化することが多いと思いますので、事前に患者さんにお伝えしていきたいと思いました

 


今回は薬の見た目・味・匂いについてのヒヤリハット事例と対策でした。

 


薬の効果だけでなく、その見た目や味、匂いについても説明できると患者さんから信頼を得られるでしょう。

 


わたし自身もより患者さん視点で投薬できるように心がけたいと思います‼

 


本日もお読み頂いてわたしの幸せがひとつ増えました。

 

コメントお待ちしております。