ヒヤリハット事例と対策-⑧ 薬との相互作用(グレープフルーツジュース・納豆)
こんにちは。まいまいです。
ブログを見に来てくださってありがとうございます。
本日は『ヒヤリハット事例と対策』で薬との相互作用(グレープフルーツジュース・納豆)について‼
今回も澤田康文先生の「ヒヤリハット事例に学ぶ服薬指導のリスクマネジメント」を参考にさせて頂きました。
本書を読み始めてから、確実に患者さんに説明できる内容が増えた実感があります‼
今後も実践で使える知識としてアップデートは欠かさずにしていきたいと思います。
グレープフルーツジュースとの相互作用
事例:グレープフルーツジュースは禁止ではない
対策
血圧を下げる薬の種類のひとつにカルシウム拮抗薬があります。最も代表的なのは“アムロジピン”です。
カルシウム拮抗薬はグレープフルーツ(果汁)と同時に摂取した場合、血液中の薬物濃度が上昇することが知られています。
しかし、これらの相互作用はカルシウム拮抗薬の種類により大きく異なります。
最も相互作用が強いのはニソルジピンです。ニソルジピンは水で服用した場合と比べて、グレープフルーツ果汁とともに服用すると最高血中濃度が3-4倍に上昇します。
対して、アムロジピンではほとんど血液中濃度が増加しません。
このため、カルシウム拮抗薬を説明するとき一律に「グレープフルーツジュースは摂取してはいけません‼」というのではなく、カルシウム拮抗薬の種類によって、また患者さんの生活背景によって個々に注意喚起する必要があります。
事例:グレープフルーツを避けた方がよい薬
対策
先ほどカルシウム拮抗薬では種類によってグレープフルーツとの相互作用が異なるとされていました。
他にもHMG-CoA還元酵素阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、免疫抑制剤、睡眠導入剤、抗ヒスタミン剤などでグレープフルーツとの相互作用が起こるものがあります。
その中でも比較的よく処方されていて、見逃しがちなのがHMG-CoA還元酵素阻害剤の“シンバスタチン”です。
多くの文献でシンバスタチンとグレープフルーツの相互作用が報告されていて、Cmax(最大血中濃度)やAUC(血中濃度-時間曲線下面積)の上昇(=シンバスタチンの効果の増強)が確認されています。
また、重篤な副作用である横紋筋融解症を発症した症例も報告されています。
グレープフルーツと言えばカルシウム拮抗薬が有名ですが、より注意しなければならないのはシンバスタチンかもしれません。
納豆との相互作用
事例:相互作用は同時服用だけではない
対策
血液が固まってしまうのを防ぐ抗凝固薬である“ワルファリン”はビタミンKとの相互作用が有名です。
今回の事例では、ビタミンKを含む食品の代表である納豆とワルファリンの相互作用です。ワルファリン服用中に納豆を服用するとワルファリンの抗凝固作用が減弱してしまいます。
つまり、血液が固まりやすくなってしまうので血管が詰まりやすくなるので納豆の摂取は避けなければいけません。
相互作用と聞くと、一緒に服用することが良くないと考えられがちですが実は“同時”だけではありません。
ワルファリン服用中に納豆を1回(市販の納豆1パック)だけ摂取しても、納豆によるワルファリンの効果の減弱は3日間以上続くとの報告があります。
そのため、摂取するタイミングをずらしても相互作用を回避することはできません。
最近では周知されるようになってきたものの、まだまだ現役のワルファリンですから新規処方時には必ず患者さんに相互作用についてよく理解してもらう必要があります。
納豆の他にもクロレラや緑黄色野菜の大量摂取、ビタミン剤に含まれるビタミンKなど納豆以外にもビタミンKは含まれていますので、薬剤師側はよく確認すること。また患者さん側は気になる食品があれば医師や薬剤師に摂取して大丈夫か確認するのをおすすめします。
今回は薬との相互作用として有名なグレープフルーツや納豆などについてご紹介しました。
食品との相互作用は全てのデータがあるわけではないため、気になるサプリメントや珍しい食品を定期的に摂取している場合には医師・薬剤師に相談するようにしましょう‼
本日もお読み頂いてわたしの幸せがひとつ増えました。
コメントお待ちしております。