幸せの証拠

幸せの証拠

日常の解像度をあげるためにできることを書いています

ヒヤリハット事例と対策-⑦ 薬との相互作用(SJW・タバコ・ミネラル)

f:id:nov5ive:20210626101209p:plain

 

 

 

こんにちは。まいまいです。

 


ブログを見に来てくださってありがとうございます。

 


本日は『ヒヤリハット事例と対策』で薬との相互作用(SJW・タバコ・ミネラル)について‼

 


今回も澤田康文先生の「ヒヤリハット事例に学ぶ服薬指導のリスクマネジメント」を参考にさせて頂きました。

 

 

f:id:nov5ive:20210609121534j:plain



 


薬は薬だけでなく、食べ物や嗜好品などによっても効果に影響が及ぼされます

 


せっかく健康のためにと思って接種していても、結果的には悪影響だった‼とならないためにも知っておくべき基本的なものについて例を挙げてみたいとおもいますので、是非参考にしてみてください。

 

 

 

 

SJWセントジョーンズワート)との相互作用

 


事例:経口避妊薬(ノルエチステロン・エチニルエストラジオール)と併用しそうになった

 


対策


SJWセントジョーンズワートは別名西洋オトギリソウとも言われます。リラックス効果のある成分でサプリメントとして販売されていたり、ハーブティーなどにも含まれていることがあります。

 


そんなSJWですが、女性が避妊のために服用する経口避妊薬との併用には注意が必要です。

 


SJWを服用することで、体内での薬の代謝・排泄が促進されることがあります。

 


今回取り上げる経口避妊薬(ノルエチステロン・エチニルエストラジオール)を服用中にSJWを服用することで半減期の短縮や経口クリアランスの増加、つまりは経口避妊薬の効果の減少が起こります。

 


またSJWにによる作用から回復するのに2週間以上を要するため、少なくとも2週間以上経過してから経口避妊薬の服用を開始する必要があり、その間の避妊には避妊具を使用しなければいけません。

 


サプリメントハーブティーなどは女性に好まれるものであるため、経口避妊薬を使用されている場合には聞き取りなどでSJWの併用について注意しましょう。

 


事例:シクロスポリンと併用しそうになった

 


対策


シクロスポリンは免疫抑制剤と呼ばれ、自己免疫を抑えることでアトピー性皮膚炎から臓器移植まで様々な用途で使用される薬です。

 


シクロスポリンとSJWを併用すると、経口避妊薬のときと同じでシクロスポリンの効果が減弱する恐れがあります

 


今回の事例は腎臓移植手術の前日にSJWの服用が判明し、術後にシクロスポリンの服用の予定があったためすぐさまSJWの摂取を中止するように注意されたものです。

 


SJWと相互作用を起こす薬はたくさんあるので、摂取している方が薬を服用する場合は必ず医師・薬剤師に相談しましょう。

 


今回は薬の効果が減弱するものでしたが、反対に効果が増強されるものもあるので注意してください。

 

 

タバコとの相互作用

 


事例:禁煙でオランザピンの効果が増強してしまった

 


対策


タバコも薬の効果に影響を及ぼす可能性があるものです。

 


今回の事例ではオランザピンを服用中の患者さんがヘビースモーカーで、家族や医師から禁煙するようしつこく言われており、急に患者が禁煙を始めたことによって起こったものです。

 


タバコを吸うとオランザピンが血液中に移行する割合(全身クリアランス)が増加します。

 


つまり、オランザピンを服用中にタバコを吸っているとオランザピンがより血液中に移行してしまっている状態です。そのため、禁煙するのであれば、オランザピンの減量を検討しないといけません

 


そのほかにも、タバコによって薬の全身クリアランスが増えるものがあります。テオフィリンフルボキサミンなどが代表例です。

 


タバコを現在吸っている/吸っていないだけではなく、服薬中に喫煙/禁煙することでも薬の効果に影響を及ぼす可能性があるので注意しましょう。

 

 

ミネラルとの相互作用

 


事例:抗生物質の効果が総合ビタミン剤によって減弱してしまった

 


対策


健康のためにと総合ビタミン剤を服用している患者さん抗生物質のレボフロキサシンが処方されました。

 


服用している総合ビタミン剤にはビタミンの他にカルシウムやマグネシウム、鉄、亜鉛などのミネラル成分が含まれていました

 


ニューキノロン系の抗生物質であるレボフロキサシンはカルシウムや鉄などのミネラル成分と一緒に服用することで吸収が悪くなります抗生物質と金属がくっついてキレートという吸収されにくい状態になる)。

 


そのため、ミネラル成分を含むサプリメントとは注意が必要ですし、また処方薬自体にミネラル成分が含まれていることがあります例えば便秘でよく使用される酸化マグネシウム(商品名マグミット)はマグネシウムを含んでいます

 


以上、『ヒヤリハット事例と対策』として薬との相互作用(SJW・タバコ・ミネラル)について取り上げました‼

 


病院や薬局などで何度も問診票を記入するのは手間ですが、薬との思いもよらない相互作用で治療に失敗したり副作用が出る可能性があるので必ず記入するようにしましょう。

 


本日もお読み頂いてわたしの幸せがひとつ増えました。

 


コメントお待ちしております。