ヒヤリハット事例と対策-④ 薬の“飲み方”
こんにちは。まいまいです。
ブログを見に来てくださってありがとうございます。
今回も『ヒヤリハット事例と対策』についていくつか紹介したいと思います‼
参考資料は澤田康文先生の「ヒヤリハット事例に学ぶ服薬指導のリスクマネジメント」です。
今回は特に薬の“飲み方”についてです。飲むだけと言われればそうなんですが、色々な薬があるので飲み方も色々あるのが難しいところです。
知っておくと便利な飲み方もあるので是非参考にしてください。
浮く薬と沈む薬
多くの方が一度は薬を飲んだことがあると思いますが、正しい飲み方って分かりますか?
誰かに教えてもらうことはないので、ほとんどの方が感覚的に理解できていると思いますが薬の性質を知るとラクな飲み方ができます‼
“錠剤”って水に入れると浮くと思いますか?沈むと思いますか?
ほとんどの錠剤は“沈む”と思います。この場合は口に錠剤を入れて、お水で飲みこむときに少し上を向いてあげると喉の方に落ちていくので飲みやすくなります。
逆に下を向くと喉の方へ持ち上げて飲むことになるので飲みづらくなります。
“カプセル”の場合はどうでしょうか。ほとんどのカプセルは“水に浮く”と思います。
このときは錠剤とは反対に少し下を向いて飲み込んであげると、カプセルが水に浮いて喉の方へいくので飲みやすくなります。
薬はお水で飲むのが一般的ですから、お水に対して“浮く”か“沈む”かで飲み方を変えてあげることですんなり飲むことができます。
このサイトがイラスト付きで分かりやすかったので是非参考にしてみてください→【サプリの窓口】実は知らない!?サプリメントの飲み方のコツ
ベッドで横になっているときなど余計に飲みやすい体勢がとれないときには、頭を上げる/下げるだけでも飲みやすくなることがありますので、水に浮くのか沈むのか判断して服用しましょう。
皆さんの周りで薬の飲み方に困っている方がいたら是非教えてあげてください‼
お水で飲む薬
薬と聞くと、お水で服用するのが一般的ですが中には例外もあります。
- 【口腔内崩壊錠・OD錠】→口の中で崩壊するので唾液だけで飲み込めるもの(お水でも服用可)
- 【口腔内崩壊フィルム・ODフィルム】→口の中で崩壊するので唾液だけで飲み込めるもの(お水でも服用可)
- 【舌下錠】→舌の下に置くことで粘膜から吸収され効果が得られるもの(お水で飲みこまない)
これらを習慣的に使われている方ですと、他の薬もお水を使わない・飲み込まない飲み方をされる方もいますが、基本的に薬はお水で服用しましょう‼
というのも、薬は主に胃や腸まで届いて初めて効果が得られます。水なしで服用することで食道に薬がへばりついてしまって、食道潰瘍を起こすものがあります。
骨粗鬆症治療のビスホスホネート系製剤では普段薬を飲むときよりも少し多めのお水で服用することが推奨されています。このように水なしで服用してしまうと食道潰瘍のリスクが高くなるものもあります。
お水が手に入らないときや水分制限が必要な方などは唾液だけでも飲み込める薬があると助かります。
また、高齢者など嚥下機能が弱ってきていたり寝たきりの方などは少し多めのお水で服用することで薬を喉に詰まらせたり食道潰瘍になるリスクが減るのでその人やその時にあった飲み方や薬を選択することも必要です。
最近はあまり多くはありませんが、薬をお酒やジュースでの服用もやめておきましょう。製薬会社の方はお酒やジュースで飲むために薬を作っているわけではありませんし、もちろん相互作用を調べる手間もかけていられません。
飲み方ひとつで薬も味方から敵に変わってしまいます。
潰してはいけない薬
薬によって、半分だけ効果があればいいから半分に割ったり、うまく飲み込めないから錠剤を潰したり粉砕したりしておわたしすることがあります。
しかし、割ったり潰したりしてはいけない薬もあります‼
代表的なものは【徐放錠・CR錠】です。具体的なものだとニフェジピン(商品名:アダラート)があります。
錠剤からゆっくり成分が出ていくことで長く効果が得られるという工夫がされていますが、割ったり潰したりすることで薬の特徴が消えてしまいます。もちろん、噛んだりしてもいけません。
他にも、
- 苦味があったりして飲みにくい薬を飲みやすくするための【糖衣錠】
- 胃酸に弱い・腸に効かせるための【腸溶錠】
- 光や湿気に弱い薬
なども基本的には割ったり潰したりしない方がよいでしょう。
商品名で申し訳ありませんが、ケタスカプセルの脱カプセル、トビエース錠やベタニス錠の粉砕などは目にすることがあります。。。
医師の指示だったり、どうしてもカプセルや錠剤のままでは服用できないといった理由があったりもしますので明確な線引きはできませんが、知っておくことで別の選択肢も提案できるかと思います。
以上、『ヒヤリハット事例と対策』について今回は特に薬の“飲み方”について書かせて頂きました。
日々新しい薬が出てきてはいますが、同じように注意することも増えてきています。
頑張ってアップデートしていきたいと思います。
本日もお読み頂いてわたしの幸せがひとつ増えました。
コメントお待ちしております。