読書感想文 『最高の体調』
こんにちは。まいまいです。
ブログを見に来てくださってありがとうございます。
本日は久しぶりに読書感想文です‼
タイトルは『最高の体調』。著者は鈴木佑氏です。
この本を読むきっかけは、自分が好きなアーティストがこの本を読んで健康的な食事に変えることで痩せた‼という報告をされていたからです。
普段の食事には気を付けているものの、ときどきスナック菓子やジュースを摂るとすごく美味しく感じてしまう自分もいます。
そんな自分への戒めも込めて、この本を読んでみました。
本書はすごい数の論文(本書だけでもゆうに100は超えていると思う)を紹介されており、エビデンスに基づいた内容でした。
ひとつひとつ紹介するとキリがないので、今回は大きく2つのテーマについて紹介したいと思います。
是非参考にしてみてください。
古代より多すぎるもの、少なすぎるもの、存在しなかった新しいもの
人生において、多すぎてもいけないし少なすぎてもいけない、バランスが大事‼っていうものけっこうありますよね。
普段の生活に慣れてしまっていると感じることはありませんが、古代(昔と言い換えてもいいかも)と比較してみることで現在の位置がわかることがあります。
本書で挙げられているものをそのまま掲載しますが、自分に当てはまるもの当てはまらないものがあると思いますのでバランスを修正するために使ってみてください‼
少なすぎる
どうでしたでしょうか。わたし自身、『多すぎる』は摂取カロリーや満腹感だと分かってはいるものの、なかなか修正できない日々です。。。
逆に『少なすぎる』は有酸素運動や自然との触れ合い、太陽光の摂取量であり、機会があれば意識的に増やすようにしています。
『新しすぎる』は加工食品、トランス脂肪酸、果糖ぶどう糖液糖など食べ物に関するものがしっかり当てはまります。
また、処方薬や抗生物質にはどうしても仕事柄目が行きますが、わたし自身薬は必要なければ使わない方が良いというスタンスです。
感染症や疼痛などの急性期には有益な場合があります。しかし、慢性に使用するとなると効果と副作用は表裏一体であるため、無理にそのリスクを負う必要はないのかなと。
価値評定スケール
本書の内容でわたしが一番伝えたいものがこの『価値評定スケール』です‼
簡単に説明すると、自分自身が全て満たされた状態(例えば、お金も時間もたくさんあって友人や家族との関係は良好で仕事は上手くいっているなど)のときに各項目に対してどのように考え行動するかというものです。
もしも、今満たされていないのであればそれはどうすれば満たされるのでしょうか。そしていつになれば満たされる予定でしょうか。満たされないといけないものでしょうか。
もし普段家族に優しくしてあげられていないとして、時間がなくて仕事も忙しくてストレスが溜まっていたとしても、自分一人が努力さえすればいつもより優しく接することは可能ですよね。
『満たされている』と仮定することで、本当に自分が大切にしているもの/したいものが見えてくるはずです。
以下の価値評定スケールを考えたときには是非声に出してみてください。そして可能であれば、誰かに聞いてもらいましょう。恥ずかしいかもしれませんが、人に伝えることで自分に嘘をつけないようにする効果があります。
①家族
どのような父/母、息子/娘、兄弟/姉妹、叔父/叔母でありたいか?家族のなかでどのようにふるまいたいか?家族とどのような関係性を築きたいのか?もし今のあなたが「理想の自分」だとしたら、家族に対してどのように接するか?
②結婚・恋愛
親密な相手に対してどのような夫/妻/パートナーでありたいか?相手とどのような個性を育てたいか?どのような関係性を作りたいのか?もし今のあなたが「理想の自分」だとしたら、結婚相手や恋愛相手にどのように接するか?
③子育て
どのような親になりたいか?子供とどんな関係を結びたいか?子供と接するなかでどんな個性を育てたいか?もし今のあなたが「理想の自分」だとしたら、子供にどのように接するか?子供からどのように見られたいか?
④友人・対人関係
どのような友情を育てたいか?友人関係のなかに自分のどのような特徴・資質を活かしたいか?自分が相手にとって最高の友人だとしたら、どのようにふるまうか?
⑤キャリア・仕事
自分は仕事のどういった点に重きを置いているか?仕事をもっと意味あるものにするにはどうすればいいか?いまの暮らしが理想の状態だったとしたら、自分のどのような資質を仕事に活かしたいか?職場や仕事のパートナーとどような関係を築きたいか?
⑥自己成長
もっと知りたいことはなにか?学習や教育について、自分はどんな点に重きを置いているのか?習得してみたい新しいスキルはなにか?自分が成長するためにどんな資質を活かしたいか?
⑦余暇・レジャー
どんな趣味や遊びをしてみたいか?自分がリラックスできるのはどのようなことか?どんなときに一番楽しい気分になるか?新たに参加してみたい活動はあるか?
⑨コミュニティ・社会生活
どのようなコミュニティの一員でありたいか?地域社会にどのように貢献したいか?(チャリティやボランティアなど)自分の居場所をどのように作りたいか?
⑩健康
身体の健康について何に重きを置いているか?(疲れない体作りや規則正しいライフスタイルなど)自分の身体をどのようにケアしたいか?(食事、睡眠、運動の改善など)
⑪環境
地球の環境について何に重きを置いているか?(公害や大気汚染など)環境の改善について貢献したいことはあるか?
⑫芸術
絵画、音楽、文学、アートとどのような関係を築きたいか?どのような芸術に触れていたいか?参加してみたい芸術活動はあるか?
以上、12個の価値評定スケールを行ってみてどうでしょうか。
今すぐにでもできることがあると思いますし、新しい目標になるものもあると思います。
こういうのって普段はなかなか意識できませんよね。人生において大切なものを教えてくれる/思い出させてくれる本というのは大切にしたいですし、自分の軸となる一冊があってもいいと思います。
今回は12個の項目がありましたが、たとえ『楽しく生きる』みたいなひとつでも自分の信念があればそれに沿った行動や考え方ができて、より人生がスムーズにいくと思います。
ちなみにわたしは30歳を目前にして、やっと両親から多大な愛情をうけて育ててもらったんだと思いました。
そんな両親には少しでも元気に過ごしてほしいですし、できる限りの親孝行をすることがわたしの本当にやりたいことだと思っています。
本日もお読み頂いてわたしの幸せがひとつ増えました。
コメントお待ちしております。
ヒヤリハット事例と対策-⑧ 薬との相互作用(グレープフルーツジュース・納豆)
こんにちは。まいまいです。
ブログを見に来てくださってありがとうございます。
本日は『ヒヤリハット事例と対策』で薬との相互作用(グレープフルーツジュース・納豆)について‼
今回も澤田康文先生の「ヒヤリハット事例に学ぶ服薬指導のリスクマネジメント」を参考にさせて頂きました。
本書を読み始めてから、確実に患者さんに説明できる内容が増えた実感があります‼
今後も実践で使える知識としてアップデートは欠かさずにしていきたいと思います。
グレープフルーツジュースとの相互作用
事例:グレープフルーツジュースは禁止ではない
対策
血圧を下げる薬の種類のひとつにカルシウム拮抗薬があります。最も代表的なのは“アムロジピン”です。
カルシウム拮抗薬はグレープフルーツ(果汁)と同時に摂取した場合、血液中の薬物濃度が上昇することが知られています。
しかし、これらの相互作用はカルシウム拮抗薬の種類により大きく異なります。
最も相互作用が強いのはニソルジピンです。ニソルジピンは水で服用した場合と比べて、グレープフルーツ果汁とともに服用すると最高血中濃度が3-4倍に上昇します。
対して、アムロジピンではほとんど血液中濃度が増加しません。
このため、カルシウム拮抗薬を説明するとき一律に「グレープフルーツジュースは摂取してはいけません‼」というのではなく、カルシウム拮抗薬の種類によって、また患者さんの生活背景によって個々に注意喚起する必要があります。
事例:グレープフルーツを避けた方がよい薬
対策
先ほどカルシウム拮抗薬では種類によってグレープフルーツとの相互作用が異なるとされていました。
他にもHMG-CoA還元酵素阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、免疫抑制剤、睡眠導入剤、抗ヒスタミン剤などでグレープフルーツとの相互作用が起こるものがあります。
その中でも比較的よく処方されていて、見逃しがちなのがHMG-CoA還元酵素阻害剤の“シンバスタチン”です。
多くの文献でシンバスタチンとグレープフルーツの相互作用が報告されていて、Cmax(最大血中濃度)やAUC(血中濃度-時間曲線下面積)の上昇(=シンバスタチンの効果の増強)が確認されています。
また、重篤な副作用である横紋筋融解症を発症した症例も報告されています。
グレープフルーツと言えばカルシウム拮抗薬が有名ですが、より注意しなければならないのはシンバスタチンかもしれません。
納豆との相互作用
事例:相互作用は同時服用だけではない
対策
血液が固まってしまうのを防ぐ抗凝固薬である“ワルファリン”はビタミンKとの相互作用が有名です。
今回の事例では、ビタミンKを含む食品の代表である納豆とワルファリンの相互作用です。ワルファリン服用中に納豆を服用するとワルファリンの抗凝固作用が減弱してしまいます。
つまり、血液が固まりやすくなってしまうので血管が詰まりやすくなるので納豆の摂取は避けなければいけません。
相互作用と聞くと、一緒に服用することが良くないと考えられがちですが実は“同時”だけではありません。
ワルファリン服用中に納豆を1回(市販の納豆1パック)だけ摂取しても、納豆によるワルファリンの効果の減弱は3日間以上続くとの報告があります。
そのため、摂取するタイミングをずらしても相互作用を回避することはできません。
最近では周知されるようになってきたものの、まだまだ現役のワルファリンですから新規処方時には必ず患者さんに相互作用についてよく理解してもらう必要があります。
納豆の他にもクロレラや緑黄色野菜の大量摂取、ビタミン剤に含まれるビタミンKなど納豆以外にもビタミンKは含まれていますので、薬剤師側はよく確認すること。また患者さん側は気になる食品があれば医師や薬剤師に摂取して大丈夫か確認するのをおすすめします。
今回は薬との相互作用として有名なグレープフルーツや納豆などについてご紹介しました。
食品との相互作用は全てのデータがあるわけではないため、気になるサプリメントや珍しい食品を定期的に摂取している場合には医師・薬剤師に相談するようにしましょう‼
本日もお読み頂いてわたしの幸せがひとつ増えました。
コメントお待ちしております。
ヒヤリハット事例と対策-⑦ 薬との相互作用(SJW・タバコ・ミネラル)
こんにちは。まいまいです。
ブログを見に来てくださってありがとうございます。
本日は『ヒヤリハット事例と対策』で薬との相互作用(SJW・タバコ・ミネラル)について‼
今回も澤田康文先生の「ヒヤリハット事例に学ぶ服薬指導のリスクマネジメント」を参考にさせて頂きました。
薬は薬だけでなく、食べ物や嗜好品などによっても効果に影響が及ぼされます。
せっかく健康のためにと思って接種していても、結果的には悪影響だった‼とならないためにも知っておくべき基本的なものについて例を挙げてみたいとおもいますので、是非参考にしてみてください。
SJW(セントジョーンズワート)との相互作用
事例:経口避妊薬(ノルエチステロン・エチニルエストラジオール)と併用しそうになった
対策
SJW(セントジョーンズワート)は別名西洋オトギリソウとも言われます。リラックス効果のある成分でサプリメントとして販売されていたり、ハーブティーなどにも含まれていることがあります。
そんなSJWですが、女性が避妊のために服用する経口避妊薬との併用には注意が必要です。
SJWを服用することで、体内での薬の代謝・排泄が促進されることがあります。
今回取り上げる経口避妊薬(ノルエチステロン・エチニルエストラジオール)を服用中にSJWを服用することで半減期の短縮や経口クリアランスの増加、つまりは経口避妊薬の効果の減少が起こります。
またSJWにによる作用から回復するのに2週間以上を要するため、少なくとも2週間以上経過してから経口避妊薬の服用を開始する必要があり、その間の避妊には避妊具を使用しなければいけません。
サプリメントやハーブティーなどは女性に好まれるものであるため、経口避妊薬を使用されている場合には聞き取りなどでSJWの併用について注意しましょう。
事例:シクロスポリンと併用しそうになった
対策
シクロスポリンは免疫抑制剤と呼ばれ、自己免疫を抑えることでアトピー性皮膚炎から臓器移植まで様々な用途で使用される薬です。
シクロスポリンとSJWを併用すると、経口避妊薬のときと同じでシクロスポリンの効果が減弱する恐れがあります。
今回の事例は腎臓移植手術の前日にSJWの服用が判明し、術後にシクロスポリンの服用の予定があったためすぐさまSJWの摂取を中止するように注意されたものです。
SJWと相互作用を起こす薬はたくさんあるので、摂取している方が薬を服用する場合は必ず医師・薬剤師に相談しましょう。
今回は薬の効果が減弱するものでしたが、反対に効果が増強されるものもあるので注意してください。
タバコとの相互作用
事例:禁煙でオランザピンの効果が増強してしまった
対策
タバコも薬の効果に影響を及ぼす可能性があるものです。
今回の事例ではオランザピンを服用中の患者さんがヘビースモーカーで、家族や医師から禁煙するようしつこく言われており、急に患者が禁煙を始めたことによって起こったものです。
タバコを吸うとオランザピンが血液中に移行する割合(全身クリアランス)が増加します。
つまり、オランザピンを服用中にタバコを吸っているとオランザピンがより血液中に移行してしまっている状態です。そのため、禁煙するのであれば、オランザピンの減量を検討しないといけません。
そのほかにも、タバコによって薬の全身クリアランスが増えるものがあります。テオフィリンやフルボキサミンなどが代表例です。
タバコを現在吸っている/吸っていないだけではなく、服薬中に喫煙/禁煙することでも薬の効果に影響を及ぼす可能性があるので注意しましょう。
ミネラルとの相互作用
事例:抗生物質の効果が総合ビタミン剤によって減弱してしまった
対策
健康のためにと総合ビタミン剤を服用している患者さんに抗生物質のレボフロキサシンが処方されました。
服用している総合ビタミン剤にはビタミンの他にカルシウムやマグネシウム、鉄、亜鉛などのミネラル成分が含まれていました。
ニューキノロン系の抗生物質であるレボフロキサシンはカルシウムや鉄などのミネラル成分と一緒に服用することで吸収が悪くなります(抗生物質と金属がくっついてキレートという吸収されにくい状態になる)。
そのため、ミネラル成分を含むサプリメントとは注意が必要ですし、また処方薬自体にミネラル成分が含まれていることがあります。例えば便秘でよく使用される酸化マグネシウム(商品名マグミット)はマグネシウムを含んでいます。
以上、『ヒヤリハット事例と対策』として薬との相互作用(SJW・タバコ・ミネラル)について取り上げました‼
病院や薬局などで何度も問診票を記入するのは手間ですが、薬との思いもよらない相互作用で治療に失敗したり副作用が出る可能性があるので必ず記入するようにしましょう。
本日もお読み頂いてわたしの幸せがひとつ増えました。
コメントお待ちしております。
ヒヤリハット事例と対策-⑥ 軟膏・吸入剤の使い方
こんにちは。まいまいです。
ブログを見に来てくださってありがとうございます。
本日は『ヒヤリハット事例と対策』の第6弾軟膏・吸入薬の使い方についてです‼
今回も澤田康文先生の「ヒヤリハット事例に学ぶ服薬指導のリスクマネジメント」を参考にさせて頂きました。
最近は一般用医薬品の軟膏のラインナップも増えてきました。特にステロイドが配合されている軟膏は効果も使い勝手も良いために使われることが多いかと思います。
軟膏の正しい使用方法も是非参考にして頂ければと思います。
軟膏の使用方法
事例:軟膏の塗る量が分からない
対策
軟膏は塗って使うものですが、一体どれぐらいの量をどれぐらいの面積に塗布するのかってそれぞれの感覚の話になってしまうと思います。
ここでは塗り方のひとつの基準を数値を用いて示したいと思います。
患部が直径約5㎝の円形範囲では軟膏チューブから5㎜程度絞りだして塗るのがよいとされています。チューブから5㎜押し出すことで約0.04gほどになるので、全量が5gのチューブであれば100回程度は塗布できる計算です。
また、人差し指の先から第一関節までの指腹側に軟膏を一線に載せた量を『FTU』と言います。
このFTUを単位として用いると、成人の身体では
- 顔と顎をあわせて2.5FTU
- 躯幹の前部、後部それぞれで7FTU
- 片腕で3FTU
- 片手で1FTU
- 片脚で6FTU
- 片足で2FTU
以上が適量とされています。
数字や大きさで示してもらえると、使う側としても分かりやすいですね。
事例:軟膏の使用順序がわからない
対策
ひとつの患部に複数の軟膏を使用する場合は、軟膏を混合してお渡しすることが多いですが、混合による安定性の観点からチューブのままお渡しする場合もあります。
その場合、どの順番で使用すれば良いのでしょうか。
本書では全く同じ部位にステロイドと保湿剤を使用する場合、先に効果の強いステロイドを使用することでより効果が得られると書かれています。
また、日本皮膚科学会によると
『一般に塗る面積の広い方から先に塗ります。ステロイド外用剤と保湿剤の併用では塗る面積の広い保湿剤から先に塗り、後からステロイド外用剤を湿疹等の病気の部分だけに塗ります。先にステロイド外用剤を塗ってから保湿剤を塗ると本来塗る必要のない部分にまでステロイド外用剤を広げることになり、副作用が起きる可能性があります』
とされています。同じ種類の軟膏でも、塗る面積によっては順番が変わることがあるということです。
一方、動物実験ではステロイド→保湿剤でも、保湿剤→ステロイドでも副作用には大きな違いはないとの結果が得られています。
長期に使用する場合でなければ、順番はさほど気にする必要はなさそうです。気になるのであれば、処方医や薬局に問い合わせてみましょう。
また、複数のステロイド外用剤を別々の場所に使用する場合は、効力の弱いものから先に使用していくのが一般的です。
吸入薬の正しい使用方法
事例:吸入できたかわからない
対策
吸入薬は吸い込む段階でかすかに味がするものや粉の感覚が口の中にするものがあります。しかし、注意しなければ分からない程度のものがほとんどです。
自分の吸い込む力で薬を吸入するタイプの場合、レバーを引いて何度も薬を出すのではなく、2~3回吸入を繰り返してみましょう。口のつけ方や息の吸い方で一度で上手く吸えていない場合があります。
何度も薬を出してしまうと、過量投与につながりますし次の受診までに薬が足らなくなってしまいます。
不安な方は練習用のキットを出されている製薬会社さんもありますので、一度薬局で相談してみてください。
事例:吸入の練習用キットでは音が鳴ったのに実薬では音が鳴らない
対策
吸入の練習用キットでは上手く吸えているかどうか分かりやすくするために音が鳴るタイプのものがあります。
しかし、これはあくまで練習用のためのものです。実際に吸入する薬は音が鳴るようにはできていませんのでご注意を。
他にも実薬の代わりに乳糖など効果のないただの白い粉を吸入するタイプの練習用キットもあります。
粉が吸えている感覚はありますが、練習用キットではその粉に治療の効果はありませんのでこちらもご注意してください。
事例:子供が母親の吸入剤をいたずら
対策
吸入薬のデバイスは一見するとおもちゃのように見えます。子供が興味を持ってしまい、薬を出してしまったり誤って吸入してしまう可能性もあるので薬をしまっておく場所には注意しましょう。
間違って子供が薬をなくしたり使ってしまって治療に必要な量が足りなくなってしまったとしても、再度保険適用での交付は難しいと思います。自費になった場合、吸入薬は高価なものが多いです。
薬剤師側も小さいお子さんがいる患者さんに薬をお渡しする場合は、お子さんが誤って使用しないようにと伝えておく必要があります。
事例:吸入後のうがいをせずに口腔内にカビが発生
対策
ステロイドが含まれている吸入薬は効果が強い反面、副作用のリスクがあります。その特徴的なものが口の中にカビが発生したり、声が枯れてしまったりするものです。
ステロイドを吸入後はうがい(口の中をクチュクチュうがい、のどのガラガラうがい)を指導しますが、うがいできない場合は薬が口や喉に残ったままになってしまいます。
もしもうがいできない場合は食べ物を食べたり、飲み物を飲んでもらうだけでも薬を洗い流す効果が少しあります。
話していていつもより声がかすれたりしている患者さんには吸入後のうがいができているか確認しましょう。
以上、今回は『ヒヤリハット事例と対策』の第6弾軟膏・吸入薬の使い方についてご紹介させて頂きました。
先日、勤務している薬局に来られた患者さんで、病院でもらわれた目薬の使用方法と使用順序について全く知らないと言われる方に遭遇しました。
正しい使用方法と使用順序をお伝えすると『なぜ治療効果が出ずに副作用ばかりでるのか分かりました。ありがとうございます』と言って頂くことができました。
その指導でお金を頂くことはありませんが、感謝されることほど嬉しいことはありませんね。
本日もお読み頂いてわたしの幸せがひとつ増えました。
コメントお待ちしております。
ヒヤリハット事例と対策-⑤ 点眼剤・点耳剤の使い方
こんにちは。まいまいです。
ブログを見に来てくださってありがとうございます。
本日は『ヒヤリハット事例と対策』の第5弾点眼薬・点耳薬の使い方についてです‼
今回も澤田康文先生の「ヒヤリハット事例に学ぶ服薬指導のリスクマネジメント」を参考にさせて頂きました。
先日、認知症の薬が初めて出た患者さんがPTPシートを1錠ずつバラバラにして保管されており、服用の際に誤ってPTPシートごと飲んでしまうという事故が薬局で発生しました。
もちろん、認知症の患者さんにPTPシートのままお渡ししたことは薬局の落ち度ですが、このような事態はPTPシートが存在する限り起こり得ます。少しでもリスクが高いと思われる方には事故を未然に防ぐための指導や対策を行うようにしないといけないと感じました。
今回記事にした外用薬の使用方法について、何度も聞いたことがあるとは思いますが改めて指導することで知らない患者さんの問題解決に繋げられるかもしれません。是非参考にしてみてください。
点眼薬の使用方法
事例:点眼剤使用後に苦味を感じる
対策
点眼剤(目薬)を使用したあとに苦味を感じたことがあるかたは多いのではないでしょうか。
原因は点眼後に薬液は目頭に集まり、まばたきなどの働きによって最終的に鼻腔に排出されます。
苦味を少しでも減らすには点眼後、数分間は目頭を手で押さえたり目を閉じておくようにしましょう。
こうすることで苦味が減るのはもちろん、薬液が目に長くとどまるのでしっかりと効果を得ることができます。
事例:複数の点眼剤を連続使用してしまっていた
対策
複数の目薬を使う場合は1つ目を点眼してから次の点眼剤の使用まで5分間隔をあけることが望ましいとされています。
目には7μLの涙が常時あり、1.2μL/分の速さで涙が作られています。そのため約5分でほとんどの涙が新しいものに置き換わっている計算です。
目薬1滴は約30~50μLであるため目全体に行きわたらせるのには1滴で十分な液量になります。そのため、点眼してから5~10分間隔をあけるとひとつひとつの点眼剤の効果をしっかり得ることができるのです。
また補足ですが、目をすっきりさせたい、しっかり効果を得たいからといって1回に3滴も4滴も使っても流れ出ていくだけです。むしろ、多量に流れ出た薬で苦味を感じたり、飲み込んで吸収されて全身に行きわたり副作用を及ぼす可能性まであります。
1回1滴で十分な理由と5分以上間隔をあける理由を覚えておくだけで、点眼剤の使用方法についてはほぼ完璧と言えるぐらいなので是非覚えておきましょう‼
事例:点眼剤の使用順を知らなかった
対策
点眼剤には様々な性質があります。そのため、この順番で使う方がしっかりと効果が得られるだろうというものがあります。
水性点眼剤(無刺激性)→水性点眼剤(刺激性)→水性懸濁性点眼剤→ゲル化持続性点眼剤→油性点眼剤→眼軟膏の順番に使用するのが一般的な使用方法と考えられています。
実際に点眼薬を手に取ってみてもどれが水性でどれが油性かなどは分かりにくいので、処方元の先生や薬をもらっている薬局などで一度順番を確認する方がよいでしょう。
といっても、多くは順不同で問題ない場合が多いのでさほど気にする必要はありません。
点眼剤を何か月にもわたって長く使用する場合は、その順番も知っておくほうがいいと思います。
事例:コンタクトレンズを付けているときに点眼してしまった
対策
コンタクトレンズを使用されている方は多いと思います。メガネと違い、見た目では分かりにくいのでコンタクトレンズの使用の有無は会話の中でしっかりと確認する必要があります。
今回問題となるのは点眼剤の成分のひとつである“防腐剤”です。ベンザルコニウム塩化物などが主です。これらの成分はソフトコンタクトレンズに吸着し、眼と接触する時間が長くなると眼に傷害を引き起こす可能性があります。
そのため、原則としてコンタクトレンズ装着中は点眼剤の使用は控えた方がよいでしょう。防腐剤が入っていないタイプの点眼剤もありますので、どうしてもコンタクトレンズを頻繁につけ外しできない場合はそちらも検討しましょう。
もしもコンタクトレンズを長く外せない場合は、レンズを外してから点眼し、15分以上経ってから装着するようにしてください。
事例:冷蔵庫で保存する点眼剤と知らなかった
対策
点眼剤の種類によっては冷蔵庫(冷所または10℃以下)に保存するものがあります(特別な記載がないものは冷蔵庫に入れなくても室温保存で問題ない)。
理由は薬の科学的安定性や細菌の増殖抑制などが挙げられます。
特に夏場は車内やカバンの中で保管すると温度が高くなりがちなので注意してください。
点耳薬の正しい使用方法
事例:冷たい点耳剤でめまいを起こした
対策
点耳剤は耳の中に薬液を入れるタイプの薬です。
あまり使うことはないかもしれませんが、耳鼻咽喉科などではよく処方されます。
一般に冷水を耳に入れると急激な温度変化によりリンパ液の流れが変化するためめまいが起こると考えられています。
そのため、点耳剤も冷たいままだとめまいを起こしてしまう可能性があります。特に冬場は冷蔵庫に保存していなくても外気によって冷やされているので、使用時には手の中であたためてできるだけ体温に近い状態で使用することでめまいを起こしにくくなります。
特に高齢者や小さいお子さんは自分で点耳することが難しいため、点耳してあげる人がめまいを起こさないよう体温近くまであたためてから使用してあげると良いでしょう。
今回は点眼剤・点耳剤の使用方法についてご紹介しました。
点眼剤のボリュームが多くなりましたが、ドライアイや花粉症など目の病気は一般的になっておりドラッグストアやネット通販でもたくさんの種類の点眼剤が売られています。
正しく使用しないと、症状が改善しないどころか悪化する危険性まであるので必ず分からないことや疑問に思ったことは医師や薬剤師に確認するか付属の説明書をよく読んでから使用しましょう。
本日もお読み頂いてわたしの幸せがひとつ増えました。
コメントお待ちしております。
ヒヤリハット事例と対策-④ 薬の“飲み方”
こんにちは。まいまいです。
ブログを見に来てくださってありがとうございます。
今回も『ヒヤリハット事例と対策』についていくつか紹介したいと思います‼
参考資料は澤田康文先生の「ヒヤリハット事例に学ぶ服薬指導のリスクマネジメント」です。
今回は特に薬の“飲み方”についてです。飲むだけと言われればそうなんですが、色々な薬があるので飲み方も色々あるのが難しいところです。
知っておくと便利な飲み方もあるので是非参考にしてください。
浮く薬と沈む薬
多くの方が一度は薬を飲んだことがあると思いますが、正しい飲み方って分かりますか?
誰かに教えてもらうことはないので、ほとんどの方が感覚的に理解できていると思いますが薬の性質を知るとラクな飲み方ができます‼
“錠剤”って水に入れると浮くと思いますか?沈むと思いますか?
ほとんどの錠剤は“沈む”と思います。この場合は口に錠剤を入れて、お水で飲みこむときに少し上を向いてあげると喉の方に落ちていくので飲みやすくなります。
逆に下を向くと喉の方へ持ち上げて飲むことになるので飲みづらくなります。
“カプセル”の場合はどうでしょうか。ほとんどのカプセルは“水に浮く”と思います。
このときは錠剤とは反対に少し下を向いて飲み込んであげると、カプセルが水に浮いて喉の方へいくので飲みやすくなります。
薬はお水で飲むのが一般的ですから、お水に対して“浮く”か“沈む”かで飲み方を変えてあげることですんなり飲むことができます。
このサイトがイラスト付きで分かりやすかったので是非参考にしてみてください→【サプリの窓口】実は知らない!?サプリメントの飲み方のコツ
ベッドで横になっているときなど余計に飲みやすい体勢がとれないときには、頭を上げる/下げるだけでも飲みやすくなることがありますので、水に浮くのか沈むのか判断して服用しましょう。
皆さんの周りで薬の飲み方に困っている方がいたら是非教えてあげてください‼
お水で飲む薬
薬と聞くと、お水で服用するのが一般的ですが中には例外もあります。
- 【口腔内崩壊錠・OD錠】→口の中で崩壊するので唾液だけで飲み込めるもの(お水でも服用可)
- 【口腔内崩壊フィルム・ODフィルム】→口の中で崩壊するので唾液だけで飲み込めるもの(お水でも服用可)
- 【舌下錠】→舌の下に置くことで粘膜から吸収され効果が得られるもの(お水で飲みこまない)
これらを習慣的に使われている方ですと、他の薬もお水を使わない・飲み込まない飲み方をされる方もいますが、基本的に薬はお水で服用しましょう‼
というのも、薬は主に胃や腸まで届いて初めて効果が得られます。水なしで服用することで食道に薬がへばりついてしまって、食道潰瘍を起こすものがあります。
骨粗鬆症治療のビスホスホネート系製剤では普段薬を飲むときよりも少し多めのお水で服用することが推奨されています。このように水なしで服用してしまうと食道潰瘍のリスクが高くなるものもあります。
お水が手に入らないときや水分制限が必要な方などは唾液だけでも飲み込める薬があると助かります。
また、高齢者など嚥下機能が弱ってきていたり寝たきりの方などは少し多めのお水で服用することで薬を喉に詰まらせたり食道潰瘍になるリスクが減るのでその人やその時にあった飲み方や薬を選択することも必要です。
最近はあまり多くはありませんが、薬をお酒やジュースでの服用もやめておきましょう。製薬会社の方はお酒やジュースで飲むために薬を作っているわけではありませんし、もちろん相互作用を調べる手間もかけていられません。
飲み方ひとつで薬も味方から敵に変わってしまいます。
潰してはいけない薬
薬によって、半分だけ効果があればいいから半分に割ったり、うまく飲み込めないから錠剤を潰したり粉砕したりしておわたしすることがあります。
しかし、割ったり潰したりしてはいけない薬もあります‼
代表的なものは【徐放錠・CR錠】です。具体的なものだとニフェジピン(商品名:アダラート)があります。
錠剤からゆっくり成分が出ていくことで長く効果が得られるという工夫がされていますが、割ったり潰したりすることで薬の特徴が消えてしまいます。もちろん、噛んだりしてもいけません。
他にも、
- 苦味があったりして飲みにくい薬を飲みやすくするための【糖衣錠】
- 胃酸に弱い・腸に効かせるための【腸溶錠】
- 光や湿気に弱い薬
なども基本的には割ったり潰したりしない方がよいでしょう。
商品名で申し訳ありませんが、ケタスカプセルの脱カプセル、トビエース錠やベタニス錠の粉砕などは目にすることがあります。。。
医師の指示だったり、どうしてもカプセルや錠剤のままでは服用できないといった理由があったりもしますので明確な線引きはできませんが、知っておくことで別の選択肢も提案できるかと思います。
以上、『ヒヤリハット事例と対策』について今回は特に薬の“飲み方”について書かせて頂きました。
日々新しい薬が出てきてはいますが、同じように注意することも増えてきています。
頑張ってアップデートしていきたいと思います。
本日もお読み頂いてわたしの幸せがひとつ増えました。
コメントお待ちしております。
ヒヤリハット事例と対策-③ メーカー変更・薬の譲渡・適応外処方
こんにちは。まいまいです。
ブログを見に来てくださってありがとうございます。
今回は『ヒヤリハット事例と対策』の第三弾です‼
【ヒヤリハット】とは、危ないことが起こったが幸い事故には至らなかった事象のことです。ハインリッヒの法則が有名ですが、1件の重大事故のうらに29件の軽傷事故、300件の無傷事故(ヒヤリハット)があると言われています。
【ヒヤリハット】は言葉を知っているだけでは何の役にも立ちませんので、事例を見て聴いて理解して実践に活かしていきましょう‼
今回参考にさせて頂いた書籍は澤田康文先生の「ヒヤリハット事例に学ぶ服薬指導のリスクマネジメント」です。
わたし自身の体験も織り込んでいきたいと思いますので、よろしくお願いします。
同じ薬なのに色が違う
この記事を書いている2021年6月12日現在、勤め先の薬局でも多くのジェネリックメーカーで医薬品の欠品が相次いでいます。
その関係で今までと違うメーカーに変更してお渡ししている薬が多々あるのですが、その中でも“アムロジピン”の例を挙げてみたいと思います。
以前在庫していたアムロジピンOD錠2.5mg「日医工」はピンク色のPTPシートにピンク色の錠剤です。
その後、変更になったアムロジピンOD錠2.5mg「トーワ」は青色のPTPシートに黄色の錠剤です。
※薬の写真は「医薬情報QLifePro」からお借りしました。
初めて見る方であれば、同じ薬とは思えないですね‼
実際、患者さんに理由を説明してお渡しするも「見た目は違うけど同じ薬ってこと?」「同じ効果なんだよね?」と困惑される方が多いです。
薬剤師側からすると見分けがつきやすく取り間違えのリスクが減るので色がついているのはありがたいのですが、服用される患者さんからすれば“いつもと違う薬”という認識になってしまいます。
“プラセボ効果”もありますから患者さんが不安になるような変更があった場合は必ず説明して安心してもらってから帰ってもらうようにしましょう。
薬の譲渡はたとえ家族でもダメ、ゼッタイ。
良く効く薬は人に教えてあげたいものだと思いますし、良いことだと思います。
しかし、実際に薬をあげることは様々なリスクがあるので絶対にやめましょう。薬局でも薬がなくなるペースが速い人には、他人への譲渡をしていないか確認すると良いでしょう。善意で薬をあげていても、副作用で事故につながることもあります。
よくある例は痛み止めの内服や湿布薬です。よく効くからと家族や知り合いにあげていると言われる患者さんもいますが、痛み止めの内服や湿布薬でも重大な副作用は十分起こり得ます。
痛み止めの内服であれば、胃潰瘍が起こることがあります。胃は見えませんし、発見が遅れがちになります。痛みや違和感が出てくる頃には胃の内部がかなり荒れてしまっています。
湿布薬でもショックやアナフィラキシーが起こる可能性はありますし、中でも接触性皮膚炎や光線過敏症などでは使用した部位から全身に紅斑・発疹・刺激感などが広がり、一生元に戻らなくなる可能性もあります。
薬にはメリットがある反面、かならずデメリットがあります。受け取る際には医師や薬剤師などから説明を受けたうえで使用するようにしましょう。
適応外処方は知っておくだけで安心
薬の本来の使い方ではないけれど、過去の実績などから効果のある使い方をすることがあります。それが“適応外処方”です。
2つ1つ例をあげたいと思います。
漢方薬の芍薬甘草湯は鎮痛の目的以外に生理不順の治療に使用されることがあります。プロラクチンというホルモンの働きを正常化する効果があり、1日7.5gを10-18週間経口投与することで排卵障害患者の42%に効果があるそうです。産婦人科から芍薬甘草湯が処方された際には注意が必要です。
抗菌薬のアジスロマイシンを1回1000mg(250mgの錠剤を4錠)1日分という処方があります。性行為感染症のクラミジア感染症に対しての処方です。こちらは実際に見た処方箋で、産婦人科から処方がきました。その前にも同じような処方があり、他の薬剤師さんが調べて注意喚起してくれていたために実際わたしがお渡しする場面では落ち着いて対応できました。
こちらは適応外処方ではなく、れっきとした適応内のものでした。添付文書にも記載がありました。勉強不足ですみませんでした。
このように生理不順の患者さんに「痛み止めです」と言ったり、性感染症の患者さんに「風邪ですか?」と聞いてしまったりして混乱させることがないように適応外処方についても知っておくとよいでしょう‼
以上、『ヒヤリハット事例と対策』第三弾でした。
みなさんからも事例について教えて頂けると幸いです。
本日もお読み頂いてわたしの幸せがひとつ増えました。
コメントお待ちしております。
ヒヤリハット事例と対策-② 医薬品の名称 会計 包装
こんにちは。まいまいです。
ブログを見に来てくださってありがとうございます。
本日は『ヒヤリハット事例と対策』の第二弾‼(第一弾はこちら)
【ヒヤリハット】とは、危ないことが起こったが幸い事故には至らなかった事象のことです。ハインリッヒの法則が有名ですが、1件の重大事故のうらに29件の軽傷事故、300件の無傷事故(ヒヤリハット)があると言われています。
【ヒヤリハット】は言葉を知っているだけでは何の役にも立ちませんので、事例を見て聴いて理解して実践に活かしていきましょう‼
また、今回はこちらの書籍を参考にさせて頂きました。
「ヒヤリハット事例に学ぶ服薬指導のリスクマネジメント」
著者 澤田康文
一般用医薬品と医療用医薬品
一般用医薬品と医療用医薬品で似た名称のものがたくさんあります。
いくつか例をあげると、CMで「頭痛にバファリン♪」でお馴染みの一般用医薬品のバファリンシリーズですが主な有効成分はアセトアミノフェンです。
一方、医療用医薬品の“バファリン”の有効成分は抗血小板薬で血栓を予防するアスピリンです。目的とする疾患がが全然違います。
また、医療用医薬品の“ロキソニン”の有効成分は解熱鎮痛抗炎症作用のあるロキソプロフェンナトリウムです。
一般用医薬品でロキソニンと言えば、第一三共ヘルスケアのロキソニンシリーズですが、有効成分がロキソプロフェンナトリウム単体のものはロキソニンSになります。
ロキソニンSプラスの場合は胃への負担を軽減する酸化マグネシウムが配合されています。
ロキソニンSプレミアムの場合は鎮静成分アリルイソプロピルアセチル尿素と鎮痛補助成分の無水カフェインが配合されており、よりつらい頭痛症状をしずめたい方にとされています。
一般用医薬品と医療用医薬品で似た名称であれば同じ有効成分や効果だと考えるのが普通だとは思いますが、注意が必要です‼
会計負担が増える
薬局では患者さんの希望によってお会計金額が変わることがたくさんあります。
例えばジェネリック医薬品を使用する場合ですが、お会計が安くなることがほとんどですし薬の種類によっては1回の来局で1000円以上安くなる場合も少なるありません。
安くなる場合は問題ありませんが、逆に高くなっていまう場合は事前にお伝えしておくと後々のトラブルを未然に防ぐことができます。
ジェネリック医薬品は嫌だという方が一定数いますが、現在ジェネリック医薬品を服用されていて先発品を希望された場合はお会計が高くなるのがほとんどだと思われます。
先ほど説明した通り、ジェネリック医薬品に変更することで1000円以上安くなることがあるということは、逆に先発品にすることで1000円以上高くなることもあるということです。
患者さんがどちらでもいいと言われたり、よく分からないと言われた場合は先発/ジェネリックでそれぞれのお会計金額をお伝えすることも決め手になるかもしれません。
また、これは実際にわたしが遭遇した例ですが50代の男性が一包化をしてほしいと言って来局されました。処方された薬の内容は今も飲まれているものと同じですが、今は一包化せずにお渡しをしています。
一包化は朝食後、昼食後、夕食後など用法ごとに袋詰めにして飲みやすくしてお渡しすることです。
医師の指示に基づき、条件を満たせば薬局で点数を頂くことができるので患者さんに一包化の費用を負担して頂きます。
これが3割負担の方ですと700円以上することもあります。患者さんにお会計金額が増えることをお伝えすると、それなら大丈夫と言われました。
このパターンは実はけっこう多くて、一包化のメリット(服用が楽で飲み忘れ防止になる)だけを知ってお願いされる方もいます。
デメリット(お会計金額が増えること)もあわせてお伝えすることで、会計が高くなった‼と言われることもなくなるので事前にお伝えしましょう。
あと、錠剤が飲めないからといって散剤に変えるのも意外と高くつきます。
本当は嫌だがジェネリックを選ぶ、飲み忘れが多いが一包化は高くなるので断る、飲みにくいのを我慢して錠剤でもらうといった無理はくれぐれもしないで頂きたいのですが、選択肢があることは知っておくと便利だと思います。
包装の意味を考える
薬を毎日飲んでいる方はあたり前かもしれませんが、薬はPTPシートという包装がされています。
湿気を防いだり光を遮ったりするのはもちろん、薬の名称や服用方法が書かれていたりとたくさんの情報が詰まったものです。
そんなありがたい存在のPTPシートですが、ときにはそれが問題になることもあります。
以前に薬(錠剤)をPTPシートから出さずにPTPシートのまま服用してしまい、消化管に刺さるといった問題が起こったことがあります。
通常ではなかなか考えられませんが、例えば両親の薬を誤って小さなお子さんがPTPシートのまま飲んでしまうといった可能も考えられます。
PTPシートはその性質上、硬いプラスチックでできていますし誤って飲み込めば相当な痛みだと思います。
現場ではほとんど説明することはありませんが、薬をあまり飲んだことのない方や認知機能が低下している方、文字が読めない外国人の方などには説明するようにしています。
また、これはよくある例なのですがPTPシートを1錠ずつバラバラにして管理されている方がいます(写真の右側のよう)。
こうすると、何かの拍子になくしてしまったりPTPシートに書かれた情報がバラバラになってしまうので飲み間違いにつながる可能性が高くなります。
バラバラした方がかさ張らないのは確かですが、メリットよりもデメリットの方が多いと思いますのでやめておきましょう‼
今回は医薬品の名称、会計、包装についてのヒヤリハット事例を取り上げました。
OTC医薬品が増えてくると、医療用医薬品との違いについて聞かれることも多くなると思いますので注意したいですね。
また、お会計金額にかかわる部分も年々複雑化しています。細かい計算ができなくても、なぜお会計金額が増えるのか減るのかといったところは説明できるようにしておきましょう。
包装についてはどんどん使いやすく分かりやすくなっています。特にジェネリック医薬品は先発品との差別化を測る意味でもより一層力を入れておられるので薬の数が増えてくるとジェネリック医薬品の方が管理はラクかもしれませんね。
本日もお読み頂いてわたしの幸せがひとつ増えました。
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視力は回復できる?~目はスプーン1本でよくなる!~
こんにちは。まいまいです。
ブログを見に来てくださってありがとうございます。
本日は『目はスプーン1本で良くなる!』の読書感想文です‼
著者は日本リバース院長で整体治療院を経営されている今野青志先生と吉祥寺盛岡眼科院長の森岡清史先生です。
本書のタイトルから分かる通り、スプーンを使った視力の回復方法が紹介されています。
なんだか怪しい感じがします?わたしも本書を手に取った段階では同じ気持ちでした。
しかし、読み終わった今では毎日スプーンを手に取ろうと決心しています‼
わたし自身、重度の近視でこれ以上眼に問題が起こると生活に影響が出てくるレベルなので、なんとかしたい気持ちでいっぱいです。
そんな一見すると怪しいような内容ですが、わかりやすく簡単にお伝えしたいと思います‼
今野式スプーン療法とは?
本書に「今野式スプーン療法」の流れについて、分かりやすいイラストがあったので見てみましょう。
また、スプーンにはたくさんのメリットがあると紹介されています。
- どの家にも必ずあり、今すぐ始められる
- 温熱刺激と冷感刺激の両方をスプーン1本で行える
- スプーンの底は適度な面積があり、初心者でもツボの位置をカバーできる
- たいていのスプーンはステンレス製なので衛生的で、普段口に入れていて問題がないのであれば金属アレルギーの人でも使える
身近なもので今すぐ始められるのは大きいですよね。わざわざネットで探したり、高価なものだったりすると始めることすら壁に感じてしまいます。
次に具体的な「今野式スプーン療法」の基本ルールとやり方をみてみます。
「今野式スプーン療法」の基本ルールとやり方
タッピング法(たたく)
今回はタッピング法だけ載せていますが、他にもシェイク法(揺する)、ストローク法(さする)、プッシュ法(押す)と3通り紹介されていました。
本書では主にタッピング法の効果について書かれていましたので取り上げさせて頂きます。
また、視力を回復させる12のツボについてもイラストがあったので載せておきます。
こうしてみると、タッピング法のスプーンの動きがツボに沿っていることがわかります。
スプーン療法は腕や脚、手や肩などにも応用が可能と書かれていました(今回は“目”のみご紹介)。
さらにスプーン療法は温める→冷やすの順で行うとさらに効果的とされています。
これらが「今野式スプーン療法」の全体像です。
たくさんありますが、自分にあった方法を見つけて継続することが大切だと思います。
現に私はお風呂に入ったときに、浴槽に浸かりながらタッピング法を行っています。
なので、スプーン療法のうち1種類しかしていませんし、冷感療法も行っていません。
まずは手軽に1種類で効果があればいいなと軽い気持ちで行っています。
実際の効果は?
2009年12月に『ゆほびか』編集部主催で行われた視力向上タッピングセミナーでの結果を載せておきます。
このセミナーでは27名(男性6名女性19名)が参加。年齢は8~72歳と様々ですが、そのうち24名(88%)もの方がタッピング後に視力の回復が認められました。
また、本書の大半は“体験談”になっているのですが、スプーン療法を行うことで動体視力や深視力(対象の立体感や深さ、遠近感などを捉える力)のアップ、美肌、小顔、ダイエット効果まであると記載されています。
目の状態を悪化させる3つの原因
近視や老眼、白内障、緑内障などさまざまな視力障害の根本には「自律神経の失調状態(活動低下)」・「血流の悪化」・「体内の酸素不足」という3つの問題が潜んでいます。
「自律神経の失調状態(活動低下)」では物を見るための適切な命令がスムーズに伝わらず、瞳孔や毛様体筋の細かいコントロールができなくなります。
その結果、対象物をぼんやりとしか見ることができず、近視などの視力低下の状態になるのです。
また、「血流の悪化」によって血液の乗って運ばれるべき酸素や血液成分などの目の栄養が不足します。「体内の酸素不足」も引き起こすことで全身に悪影響を及ぼす可能性もあります。
日本人に多い近視という“病気”
ある統計によると40代以上の日本人のうち42%が近視という結果が出ています。
これはアメリカ人や中国人の22%、オーストラリア人の14%と比べると群を抜いて悪い数字です。
1949年の時点で、裸眼視力が1.0未満の小学生はわずか6%でした。
これが1963年には12%、2006年には28%、2013年にはついに30%を超えました。
読書やテレビ、スマホなど環境の変化によるところが大きいと考えられるでしょう。
近年は老眼や白内障、緑内障が若年層でも増えていることを今野先生は問題視されています。
視力がアップし眼病が治った症例集
ここからは“体験談”をいくつかピックアップして紹介したいと思います。
①両目の視力が0.03→0.7に回復した30代女性
このケースでは、森岡先生が次のようにコメントされています。
「視力の数値が上がったケースのほとんどは、視力が“アップした”というよりも視力が“回復した”ととらえています。」
これはわたしにとってまさに雷に打たれたような衝撃でした。視力と言えば“下がっていくもの”で、“回復する”ことはないと思っていたので。
このことから、近視とは血流の悪化による栄養や酸素の不足により機能不全に陥っている部分もあると捉えることができました。
体や脳の疲労と一緒で“回復するもの”と分かっただけでもこの本から得られたものは一生分の資産(視産)になりました。
②糖尿病網膜症で落ちた視力も血糖値も改善
糖尿病と診断され、数年後には脳梗塞で入院してしまった50代女性のケース。
体の悪いところが見つかるのと並行して視力も1.0→0.1にまで低下。
その後、今野式スプーン療法を始めると落ち込んでいた視力が0.1→0.8まで回復し、日常生活でメガネが不要になったそうです。
目の血管はとても細くて痛みやすいです。そのため糖尿病網膜症には血流改善がとても顕著に表れるのかもしれません。
③緑内障寸前の眼圧が降下しまぶしさも軽快
ある眼科で結膜炎と診断されると同時に眼圧が高いことを指摘された50代女性のケース。
将来、緑内障の可能性があると知らされ、眼圧を下げる目薬での治療を1年ほど継続しましたが思うような効果は得られず。
そこで今野式スプーン療法を始めると、3~4か月で視力が0.1→0.5程度に回復。半年後には視界の下の方に光が走るような症状も消えました。
薬では効果がなくても、スプーン療法で血流改善することで効果が出たいい例ですね。
④飛蚊症の蚊が3匹消え目のけいれんも治った
整骨院の院長である36歳の女性。30歳を過ぎた辺りからいつも4匹の蚊が目の前にいるように見えていました。
今野式スプーン療法を始めると4匹のうち3匹が消え、残りの1匹も小さく薄い存在になりました。
また、自身の整骨院の患者さんにタッピング法を指導したところ、2週間ほど止まらなかった目のけいれんが解消したとのことです。
⑤網膜色素変性症が軽快して裸眼で生活が可能に
20歳すぎには視力が左目は0.05、右目は0.01にまで落ち込み乱視もひどかった33歳男性のケース。
何件もの眼科を受診しましたが、視力の低下は止まらず「網膜色素変性症」の可能性があると言われました。
今野式スプーン療法を行う前は7~8m先の時計すら認識できなかったのが、施術後は時計の丸い形まで認識できるようになりました。
その後、施術を重ねるごとにより鮮明に見えるようになり、秒針が動く様子まで見えるようになりました。
視力も左目が0.05→0.5、右目が0.01→0.5へ回復しました。
まとめ
このようなケースに加え、今野式スプーン療法では老眼や白内障、斜視、レーシック後遺症、加齢黄斑変性にまで効果があったとの報告があがっています。
目はこれからより酷使される時代になると思いますし、裸眼で過ごしている人が貴重になる日も近いと個人的に思っています。
目は病気になってしまうと回復することが難しい部位です。
もちろん、定期的な眼科受診は大切ですが、少しでも自分でできることを始めてみてはいかがでしょうか。
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ヒヤリハット事例と対策-① 計数間違い・剤形間違い・名称間違い
こんにちは。まいまいです。
ブログを見に来てくださってありがとうございます。
本日は『ヒヤリハット事例と対策』ということで医療従事者であればおなじみのヒヤリハットについて記事にしたいと思います‼
【ヒヤリハット】とは、危ないことが起こったが幸い事故には至らなかった事象のことです。ハインリッヒの法則が有名ですが、1件の重大事故のうらに29件の軽傷事故、300件の無傷事故(ヒヤリハット)があると言われています。
大学で必ず習いますし、誰もが知っている言葉ですが調剤事故・過誤はなくならないのが現実です。
そもそも【ヒヤリハット】という言葉を知っているだけでは何の役にも立ちません。
事例を見て聴いて理解することで始めて実践に活かせるものです。
自分自身も多くのヒヤリハットを経験しているので、こうして記事にすることで日頃の仕事に活かせればと思いました。
ヒヤリハットの内容に関しては『公益財団法人 日本医療機能評価機構 薬局ヒヤリ・ハット事例収集分析事業』を参考にさせてもらっています。
www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp
また、自身の経験からも覚えているものは共有しようと思っているので参考になれば幸いです。
計数間違い
ヒヤリハットとして報告されるものもありますが、ミスの数が多すぎて報告されていない部分もあると思われるのが【計数間違い】です。
薬をお渡ししている身としてこんなことを言うのは大変恥ずかしいですが、【薬を受け取ったら内容と数を自分自身でも確認しましょう】‼
間違いはあってはならないことですが、人間が行っていることなので必ずあります。間違っていたら早めに薬局に相談しましょう。
次に行ったときでは薬局側の人間の記憶も薄れてしまっています。必ず気づいたときに電話や来局して間違いをお伝えしましょう。
薬局側からすれば永遠のテーマである【計数間違い】。ダブルチェックはもちろん、門前以外の処方箋を受け付けたときには特に注意が必要です。
分3(1日3回のこと)の薬が分2で処方されていたり、門前はいつも28日分だけど違う病院では30日分や35日分処方だったりと細かな違いがあるからです。
監査・投薬者は調剤者、入力者、患者さんと会話で日数を確認してからお渡しするのも未然に防ぐ方法のひとつになると思います。
剤形間違い
最近は特に【一般名処方】になったことで間違いが多いと思います。
「普通錠」を「口腔内崩壊錠」(OD錠)でお渡ししてしまったり、逆に「口腔内崩壊錠」を普通錠でお渡ししてしまったり。カプセル剤との間違いもたまにあると思います。
薬局の在庫が1種類だけであれば間違いは少ないと思いますが、先発の普通錠/OD錠、後発の普通錠/OD錠など複数の剤形があれば注意が必要です。
薬歴に注意書きで【OD錠です!】と書いたり、陳列している棚を分けたり、棚のところに【○○は複数剤形あります!】などと注意書きを貼っておくのも良いでしょう。
ピッキング監査システムを導入すれば間違いは減るものの、急いでいてピッキング監査システムに通すのを忘れてしまっていたり、エラー音が鳴っていたのに周りの音にかき消されてスルーしてしまったりと二次的なミスも十分起こり得ますし、わたしも経験済みです。
最初から取り間違えないようにするのはもちろんですが、もしも取り間違えた時にそのまま患者さんに渡ってしまわないための仕組みを導入しておく必要があります。
名称間違い
【先発名】ではなく【一般名】での処方が増えてきた分、類似する先発品の名称での取り間違えは以前より減ったような気がします。
などなど。
一般名処方が増えたことでこれらの間違いは減りました。
しかし、一般名処方での取り間違いも起こっています。
実際にわたしが現場で見た例では,
- 【ロフラゼプ錠】と【ロラゼパム錠】
- 【オメプラゾール錠】と【オルメサルタン錠】
がありました。
頭文字が似ていたり、発声したときに音が似ていたりと原因は様々です。
これももちろんピッキング監査システムで防ぐことは可能ですが、現実にはピッキング監査システムには正しいバーコードが通されているが、実際手に取ったのは違う棚の違う薬だったということも起こり得ますし起こっています。
調剤者と監査者のダブルチェックや継続している患者さんであれば薬を実際にお見せすることで「いつもと薬が違う!」ということを防ぐことができます。
また、薬剤情報提供書に薬の写真があればそれを用いることで自分も患者さんもチェックすることができるのでオススメです。
まとめ
今回は薬局にお勤めの方なら誰もが経験する【計数間違い】【剤形間違い】【名称間違い】の3つについて書かせて頂きました。
ここに挙げただけではなく、「こんな間違いもある!」「こうすればミスが減る!」などといった意見も頂ければ自分はもちろん他の医療従事者のためにもなるので宜しくお願い致します‼
患者さんの立場からすれば、こんなに色々な間違いが起こっているのか…と不安になるかもしれませんが、全ての薬局・医療従事者が必ずミスしているわけではありませんのでご安心を。
逆にミスが度々続いたりするような薬局であれば、薬局を変えた方が良いかもしれません。そういうときは他の薬局に一度相談してみるのもひとつの手ですよ。
本日もお読み頂いてわたしの幸せがひとつ増えました。
コメントお待ちしております。